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諭吉は長毛種の雑種猫で黒のトラにお腹と足先と鼻の頭が白。
そして額にはMのような模様。
抱き枕にもちゃんと額にMマークが刺繍されている。
祖母は器用で、碧の服や、ベッドカバーやクッション、何でもござれ!と作るのだ。
「婆ちゃんありがとう」
可愛く笑う碧。
祖母は満足そうな顔で、
「今度はお揃いでベッドカバー作っちゃるけんな」
と言う。
「うん!ほら、諭吉見てみて」
足元に居る諭吉に枕を見せる碧。
「にゃ~ん」
枕を見て鳴く諭吉。
碧には、
「可愛いって」
可愛いと言ったように聞こえたようだ。
「会社はどうね?友達出来たか?」
帰る度に聞かれる。
「だいぶ、慣れたよ。」
「友達は?」
「斉藤くんって人が良く声掛けてくれる」
「そうね、今度、斉藤くんも連れて来たら良かたい」
「来て…くれるかな?斉藤くんは都会育ちやもん。」
「都会育ちやけん、良いったい」
祖母にそう言われ、今度、斉藤くんに言ってみようかな?と思う。
「婆ちゃん、碧を早う返してさ」
中々戻らない碧を迎えに肇が来た。
「せからしかねー、こんのブラコンが!」
祖母は肇を罵倒する。
「何ね、弟可愛がって何が悪いとや」
肇も言い返す。
「弟は碧だけじゃなかやろうが」
「婆ちゃんだって孫は碧だけじゃなかやろうが」
二人の喧嘩は一種の行事だ。
碧も慣れているのでニコニコしながら二人を見ている。
「碧ちゃん」
小声で名前を呼ばれ振り向くと、碧を大人にしたような顔をした女性が手招きをする。
「夏姉ちゃん」
碧は嬉しそうに姉の元へ。
碧が来たと母親から連絡が入り慌ててきた長女の夏。
「ケーキあるよ」
箱を見せる夏に碧は、
「ありがとう」
とニッコリ笑う。
「ねえ、碧ちゃん……西島部長とはちゃんと話せるようになった?」
夏の言葉に碧は、
「あのね、あのね、聞いて!」
と西島の話を始める。
夏とは年が10歳離れているが兄弟では一番仲良くて、西島の話もしているのだ。
男に憧れてるなんて夏以外には話せない。
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