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恋心?2
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えへ、
えへへっ、
碧の顔は自然と緩む。
朝、諭吉のプニプニした肉球で起こして貰った。
ご飯も諭吉と一緒に食べて、
いってきます!と声を掛けて出て来た。
夕べも諭吉とご飯食べて、シャワー浴びてる時はドアの向こうで待っていてくれて、
ニヤニヤが止まらなかった。
眠るのも一緒。
自立したくて頑張って1人暮らしをしているけど、正直言うと毎日寂しかった。
家族に囲まれてた毎日から、1人ぼっちの日々は辛いものがあったのだ。
それが諭吉という存在で全て消された。
駅につくと、西島を探す碧。
キョロキョロと見渡すと、
居た!
自販機で飲み物を買っている西島の姿が碧の大きな瞳に映る。
へへっ、
気付かれないように西島を見ながら電車を待つ。
そして、
ふいに夏が「恋人が居ないか確かめて」と言ったのを思い出し、また、顔が熱くなる。
き、聞けるわけない!
碧はブンブンと首を振る。
******
「碧、何か良い事でもあった?」
席に着くと斉藤にそう話掛けられた。
「えっ?どうして?」
「めっちゃニコニコしてるから」
「そ、そう?」
碧はそんなにニヤツいているのかと恥ずかしくなる。
「休みで何か楽しい事あったとか?」
「へ?ううん、実家には帰ったけど」
「碧の実家ってどこだっけ?」
「すごい田舎…うち、農業とかしてるから、牛とか馬とか」
「えっ?馬?碧んち馬居るの?」
斉藤は目をキラキラさせて話に食い付いて来た。
「うん、馬は1頭だけ」
「馬、馬に触りたい」
「馬好きなの?」
「めっちゃ好き!なあ、今度碧んち行きたい」
「えっ?」
ちょっと驚いて声をあげる碧。
「だめ?」
大きな声を出した碧に斉藤は頼み込むような顔で聞いてくる。
祖母に友達連れておいでと言われた事が何だか現実になりそうな、そんな流れ。
「うん。いいよ」
返事をすると、斉藤は嬉しそうに、
「絶対だからな!」
と念を押す。
「うん」
社会人になっても友達って出来るものかも知れない。
碧はちょっと嬉しくなった。
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