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恋心。?3
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***
午前中は珍しく西島に怒られも注意もされなかった碧。
お昼になり、お弁当を持って医務室へと勇気を出して来てみた。
でも、ドアをノックする勇気がなく、どうしようかとドアの前でウロウロ。
「何してんだ?」
後ろから西島の声。
ビクっと身体が反応した。
「あ、あの、僕、お昼」
急に西島に話掛けられ碧は顔も上げれずにテンパってしまう。
「あれー、碧ちゃん」
佐々木もやって来たのでホッとした。
「今日もお握り?」
「は、はい」
「そっか、そっか、神ちゃんにお茶出して貰おうね」
佐々木に背中を押され、中へ入る事が出来た。
西島もその後ろから医務室へと入る。
碧がドアの前でウロウロしているのを見掛け、西島はつい、笑ってしまった。
動物園でアライグマとかが餌欲しくて飼育員が出てくるドアの前でウロウロしている感じに見えて笑った。
でも、碧は話掛けるとビクビクとして、
佐々木に声掛けられた時にホッとした顔をしたのを見て、地味にショックだった。
碧は隅っこに座り、自分が作った弁当を広げている。
神林にも碧は普通だ。
ビクビクしない。
お茶を受け取りながら雑談をしている。
何か面白くない西島。
「ちょい仮眠するから」
西島はベッドへと乗り、カーテンを閉めた。
碧はちょっとションボリとなる。
西島と頑張って話そうと決意してここに来たのに上手くいかない。
お握りをモソモソと食べながらカーテンを見る。
「碧ちゃん、西島は気にしなくていいんだよ、どうせ明け方までYouTubeで猫動画みてたから寝不足だろ」
猫動画!
碧はピクンと反応。
「部長猫好き……」
うん。猫好きは知ってる。
「彼女とか居ないからさ、良い年した野郎が猫動画とかさ」
恋人いない!
そこにもピクンと反応する碧。
「あの、あの、部長は本当に恋人居ないんですか?」
碧は小声で聞いてみる。
佐々木と神林は同時に頷く。
本当に?
碧は心の中でやった!と叫んだ。
「碧ちゃん、気になるのかな?」
佐々木にニヤニヤされ、違うと首を振り、
振り過ぎて目が回り、神林に支えられてしまうくらいテンションは上がっていたのだった。
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