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恋心。?5
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「佐々木、お前ーっ、佐藤は男だし、未成年だぞ」
西島は起き上がり佐々木に食らいつくように言う。
「俺の離婚の原因、お前知ってんだろ。それに碧ちゃんの合意があれば関係ないね」
佐々木はバイセクシャルで、
男と浮気したのが奥さんにバレたのだ。
「それに西島には関係ない事なんだろ?碧ちゃん男の子だし?」
そう言われたら言い返せない。
「碧ちゃんの後ろのバージンはいただく。まあ、1ヶ月くらいでモノにするよ」
佐々木は西島の肩を叩くと、じゃーな。と部屋を出て行った。
佐々木………、
あいつ、言った事は実行する!
西島はベッドから降りて部屋を出ようとするが、
「待て西島」
と神林に呼び止められた。
振り向くと、
「靴」
と足元を指さされて気付く。
靴を履いていない。
西島の靴はベッドの近くに脱ぎ捨てられたまま。
すごすごと戻り、靴を履くと咳払いして部屋を出て行った。
「あいつら、マジで出入り禁止にしようかな?」
ドアを見つめながら神林は呟く。
*****
トイレの個室、碧は夏に電話を掛ける。
数コール目で出た夏に、
「夏姉ちゃん、西島部長は恋人いないって」
もしもしを省略し勢い良く喋る。
「本当?碧ちゃんが聞いたの?」
「違う、佐々木部長に聞いたの、あとね、部長もYouTubeの猫動画見てるんだって」
「へえ~碧ちゃんと同じ趣味じゃん、話題出来たね」
夏にそう言われ、ああ、そうか話題が1つ出来たんだと顔がほころぶ。
「ねえ、碧ちゃんもう自覚しなよ」
「えっ?何を?」
「西島部長を好きだって事。だって恋人いないって知って嬉しかったんでしょ?」
夏の言葉に一気身体中の血液が頭に流れ込んできたみたいに熱くなる。
違うよ、憧れだよ。
そう言いたいのに言葉が出ない。
「碧ちゃんの初恋だね。お姉ちゃん応援するよ?」
「えっ?えっ?ちが、」
初恋とか?
夏姉ちゃんは何言ってるんだろう?
「相手が同性でも人を好きになるって最高の出来事だよ」
ドクンドクンと心臓が早くなって、
「夏姉ちゃん、また電話するね」
と言って電話を切った。
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