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恋心。?7
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「ううっ、ごめんなさい」
碧は申し訳なさそうに斉藤に謝る。
彼が探しに来てくれた所までは覚えているのに、我に返ると医務室に居た。
「いいよ、俺も会社サボれてラッキーだもんな」
ニコッと笑う斉藤。
「碧ちゃん微熱だけど、夜上がるかも知れないから薬ね」
神林は碧に薬を渡す。
******
フラフラしながら会社を出る碧と、
心配そうに横に着く斎藤。
「碧、そっちは駅」
フラフラ歩く碧をキャッチすると手を上げてタクシーを止めようとする斎藤に、
「僕、歩く」
と元気なく答える。
「ダメだろ、フラフラしてるんだから」
「お金ないもん、歩く」
首を振る碧。
「じゃあ、車で送るから乗りなさい」
ふいに聞こえて来たのは斎藤ではなく、
「えっ?西島部長」
驚く斎藤の前に現れたのは西島。
しかも車に乗っている。
「部長、車でしたっけ?」
「神林に借りた」
斎藤の質問にそう答える西島。
「ほら、乗りなさい。送るから」
西島に促され、斎藤は、ラッキーとか言いながら車の後部座席のドアを開けた。
きっと、碧だけなら乗れなかっただろう。
斎藤から押されるように碧が先に乗せられ、次に斎藤が乗り込もうとすと、
「お前は戻れ」
と低い声で言われた。
「えっ?でも、碧を送る……」
「私が送るから戻れ」
鋭い視線を投げられ、斎藤は、「はい」と言うしか無かった。
斎藤がドアを閉めたのを確認すると、車は走り出す。
ちぇ、サボれたのにぃ!とむくれる斎藤の肩が誰かに叩かれ振り向く。
「あれ、佐々木部長どうしたんですか?」
振り向くと佐々木が居た。
「西島が碧ちゃん送って行ったのか?」
「はい。神林先生に車借りたみたいですよ」
「ふ~ん」
佐々木は、西島め!と思いながら会社へ戻って行く。
神林から碧の話を聞いて送って行こうと探していたら先を越された。
なんだかんだいって、
西島は碧を気に入っている。
佐々木はそう確信した。
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