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恋心。?12
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西島はスーパーへ寄り、色々買い込んだ。
ポカリやら、ウィダーインやら抱えて公園の横を通り過ぎようとした時にアパートが目に入った。
佐々木が公園の横のアパートに碧が住んでいると言っていたのを思い出す。
本当か?
こんな近くに?
西島のマンションへは歩いて3分程。
公園のにゃんこを碧も知っているだろうか?何って考えてしまい、止まっていた足を動かす。
後で餌を持って来なきゃな。
まずは自分の部屋に居る碧のご飯が先だ。
****
「熱いよお……」
碧は熱の怠さでモソモソとベッドから降りる。
身体が熱すぎて冷たいモノを求めるようにフラフラと歩き出す。
自分の部屋だと思っている碧は、フラフラしながらも間取りの違いに、
「あれえ?冷蔵庫は?」
と戸惑う。
碧の部屋は7.8畳のロフト付き。
ベッドから進めば冷蔵庫に辿り着くはずなのに、何時もの場所に冷蔵庫がない。
碧はその場にペタリと座り込む。
*****
「は?」
西島は部屋に入り、短い声を上げた。
碧がフローリングで丸くなり寝ているのだ。
「佐藤?どうした?」
西島は慌てて、碧を抱き起こす。
身体の揺れと西島の声で目を開けた碧は、
「熱いの……冷蔵庫がない」
と意味不明な言葉を口にする。
「熱い?ポカリ飲むか?」
西島に聞かれた碧は頷く。
「待ってろ」
碧をその場に座らせ袋から1リットルのポカリを取り出す。
フタを開けて碧に渡す。
ブカブカなシャツの袖から指先だけが出た手で受け取る碧は両手でペットボトルを持ち、ゴクゴク飲む。
ぐはっ!
西島は碧のペットボトルを両手に持つ姿に変な声を出しそうになった。
ペタンと正座を崩した座り方で座る碧。
足が太ももまで見えて、つい、そこに目が行ってしまう。
茶色いフローリングの板の上で色白が強調された碧の足。
そして、両手でペットボトルを持つ仕草。
あーー、
何だ!この可愛い生き物は!!
西島は心で叫ぶ。
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