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恋心。
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「いや、やましい意味とかはない」
咄嗟に出た言葉にめまいがしそうな西島。
やましいとか、思っているから、そんな言い訳が出る。
「あ~、とにかく、お粥作るから大人しく寝てろな」
これ以上言い訳すると、ドツボにはまりそうで、そう誤魔化した。
西島が部屋を出て行った後に碧は頭の中で、彼に言われた事を整理する。
泊まっていけって、
ここに?
部長の部屋に?
えっ?本当に?
うそ、うそ、うそー!?
段々と実感が沸いてきてテンションが上がる。
僕が部長の部屋に泊まる!
夏姉ちゃんに話したい!諭吉にも!
諭吉………、
あ、諭吉!
碧は部屋に諭吉が居るのを思い出し慌てる。
諭吉!諭吉のご飯とか、
碧はフラフラしながらベッドを降りて部屋を出た。
ガサゴソ音がする方角に西島が居る。
碧はその方角へと向かう。
キッチンに西島が居た。
「部長」
西島の後ろ姿に声を掛ける。
碧の声に西島は驚いて振り向く。
フラフラしながら自分の方へ来る碧。
「佐藤、寝てろって言っただろ!」
西島は碧の側へ行く。
「部長、諭吉、僕、諭吉にご飯あげなきゃ」
「は?」
諭吉?
あ、猫だったな。譫言でも聞いた名前。
でも、諭吉は実家じゃないのか?
「諭吉は実家だろ?」
熱が高いからそんな事言うのか?と西島は心配する。
「違うの、着いてきちゃって、部屋に諭吉が居るんです。ご飯あげなきゃ」
フラフラな状態で立っているのがやっとに見える碧。
1人で帰すわけにもいかない。
「分かった。諭吉を連れてくるから、お前はベッドだ。」
そう言って西島はまた碧を軽々と抱き上げた。
お姫様抱っこ再び。
碧はもう声も出ない。
ただ、ドキドキと胸が尋常じゃないくらいに早く脈打つ。
ベッドに降ろされて、
「部屋の鍵と住所を」
そう聞かれ、碧は住所を言う。
鍵は碧が何時も背負っているリュックの中。
「いい子にしてろよ」
西島は鍵を手に部屋を出た。
歩いて数分でアパートに着いた西島。
やはり、このアパートだったのか。と公園とアパートを交互に見た。
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