アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ニッシーとゆきっつあん!
-
*****
碧の部屋は1階。
危ないだろ、あんな子供が一階とか!
西島はそう考えながらドアノブに鍵を突っ込み、ガチャリと開けた。
ドアを引き、中を覗く。
こじんまりした部屋。
綺麗に掃除もしてあり、見てて危なっかしい碧も家事はちゃんとしているようだ。
にゃ~ん…
猫の鳴き声と一緒にトストスと軽い足音が聞こえ、モフモフした猫が現れた。
もふもふーっ!
西島は猫のモフっぷりに顔が緩む。
諭吉ーっ、可愛い!
西島が好きな長毛種。
尻尾もフサフサ。
諭吉は西島の前まで来て、ちょこんと座る。
前足をちゃんと揃え、モフモフな尻尾をくるりと前足で止めていて、じーっと西島を見上げていた。
「諭吉」
名前を呼ぶ。
にゃ~ん。
とそう鳴くと思った西島に、
「そうたい。あんたが西島?」
と諭吉が言った。
………………………………………
ん?
あれ?
西島は首を傾げる。
そして周りをキョロキョロと見た。
自分の他に誰か居るのかと思った。
諭吉が喋るわけがない。
「にゃ~ん」
諭吉が可愛く鳴いて、西島は、
だよね。きっと自分は碧の可愛さに悶えていたから頭おかしくなったか、幻聴だと自分に思いこませた。
「諭吉、君のご主人がわたし、あ、俺の部屋に居るんだ。熱出しちゃってね。だから、君を迎えに来たんだよ。分かるかな?………なんて説明しても分からないよね。」
西島は諭吉のモフモフした頭を撫でた。
諭吉はにゃ~んと鳴いて、西島の足下に。
か、可愛い!
可愛い猫の仕草にさっき聞いた言葉を忘れた。
そうだよ、幻聴。
猫は喋らない。
諭吉は玄関で西島を待つような仕草を見せる。
ああ、何か理解してくれていると西島に伝わり。
諭吉を抱き上げて部屋を出た。
モフモフな諭吉はフンフンと西島の匂いを嗅ぎ、
「あんた、良か匂いするな発情期だろ!」
とつぶやく。
でも、ちょうど車が真横を通り、その音で西島の耳には届かなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
42 / 639