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器の分は完食したが、おかわりは無理な碧は手を合わせてごちそうさまをした。
「食べたら薬」
西島は碧に薬と水を渡す。
でも、碧は中々飲もうとしない。
まさか、まさかだけど、
「飲めないのか?」
聞いてみると小さく頷く。
「飲まなきゃダメですかぁ?」
目にうりゅう~と涙を溜める碧。
思わずいいよ。と言いそうになるのをグッと我慢。
「飲まないとダメだろ」
その言葉に碧はしゅんとなり涙目で薬を見つめている。
お預けくらった猫みたいだ。
くうぅーっ!
ジタバタしたいくらいに碧は可愛かった。
そんな中、着信が鳴り響く。
携帯を取り出すと佐々木の文字。
あー、もう!
席を外し電話に出る。
「やっほー、碧ちゃんどうしてる?」
軽そうな佐々木の声。
「薬飲めないとか言ってるよ」
「うわーマジか!碧ちゃんらしいなあ。んじゃあ、お子様用のお薬飲めたね買ってきてやるよ」
「は?何だそれ?」
「ゼリーみたいなものだよ、それに薬を詰めて飲ませるんだよ。碧ちゃんなら苺味かな?」
佐々木は嬉しそうに言いながら、西島の返事も聞かずに電話を切った。
相変わらずマイペース野郎め!
西島は電話をポケットに入れ、碧の元に戻る。
碧はまだ薬を見つめていた。
ふ~とため息が出る。
やっぱり子供だ。
こんな子供に欲情するなんて変だろ?
さっきまでの自分を反省!
西島は碧の手のひらから薬を取ると、
「後から飲みなさい」
そう言いながら横になるように促す。
「ぶちょお、ごめんなさい」
ウルウルした瞳で西島を見上げる碧。
ずきゅーーん
心臓を一発射抜かれた西島だった。
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