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西島はくるりと背を向けて、「気にするな」と言った。
凝視出来なかった……。
にゃ~
諭吉の鳴き声。
マグロ美味かばい、
肥後……
さっきの言葉を思い出した。
猫が喋るわけがない。
「あ、諭吉のご飯」
心配そうな碧の声。
「諭吉ならさっきマグロを食べさせた」
「えっ?マグロですか?もしかしてマグロを催促されました?」
なに?
まさか!
西島は勢いよく碧の方を向くと、
「その猫喋るだろ!」
とかなりの形相で聞いた。
ちょっと碧は引き気味だけど、
「はい。マグロうまい~って言うんです。部長も聞いたんですか?諭吉凄いですよね、えへへ」
碧は諭吉をぎゅっと抱きしめてホワホワした笑顔を見せた。
なんか、
ね?
明らかに碧の反応はさっき西島が感じた動画で良く見る光景的な反応で、
自分をニッシーと呼んだり、
産まれを肥後と言ったり、
なんだか自分の中だけでの温度差。
「あ、うん……マグロうまい~って」
「でしょ?諭吉天才なんです!」
ニコニコな碧の上でゴロゴロ喉を鳴らす諭吉。
あ、あれ?
やっぱ気のせい?
ピンポーン~
戸惑う西島を助けるかのようなチャイム。
まあ、佐々木なのだけど。
開けたくはないが、ドアを開けに行く。
開けた瞬間、目の前にバラ。
「何の真似だ?」
露骨に嫌そうな顔をする西島。
「バラは碧ちゃんのお見舞い、あがるぞ~」
有無も聞かずに佐々木は上がり込む。
そして、
「碧ちゃーん」
と寝室にバラを抱えて入って行く。
突然の佐々木の乱入に碧の目はクリクリ。
「佐々木部長」
「碧ちゃん大丈夫?熱出したんだって?」
佐々木は碧の近くに行くと、バラの花束を見せる。
「これ、お見舞い」
「えっ?凄いバラの花束とか!僕、初めて見ました」
「気に入った?」
「はい。綺麗ですね」
碧は嬉しそうに微笑む。
「碧ちゃんの方が綺麗だよ。ほら、これは西島に水つけて貰おうな」
佐々木は側にいる西島にバラを渡す。
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