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何かムッとくる西島。
佐藤も佐藤だ!
何、バラの花束に嬉しそうな顔してんだよ!
イライラしながらバラの花束を手にする。
わあ!
凄い、西島部長ってバラの花束が似合う!
カッコいいなあ~。
ウットリと自分を見つめている碧に気づいていない西島。
「碧ちゃんゼリー好き?」
佐々木の突然の質問に碧は頷く。
「苺味は好き?」
「はい。」
それにも頷く碧。
「そっか、そっか」
佐々木はニコニコしながら、西島に「薬は?」と聞く。
面倒くさそうに薬を渡す西島。
「スプーンと皿」
手を出す佐々木に無性にイラつきながら、バラをキッチンへと置き、スプーンと皿を手に戻る。
佐々木に渡すと、紙袋から箱を出す。
微かに苺の甘い匂い。
佐々木が言っていた薬を飲むやつか?
それを見つめる西島。
佐々木は慣れたように薬をゼリーに入れ込むと、
「はい、碧ちゃんあーん」
と碧の前にスプーンを出す。
スプーンの上には赤いゼリー。
甘い匂いがする。
碧は反射的にパクンとスプーンをくわえた。
きゅんっ!
パクンとくわえた碧に西島と佐々木は悶えそうだ。
ゴクンと飲み込んだ碧。
スプーンの上からはゼリーは消えていて、
「はいはーい、碧ちゃん上手にお薬飲めました」
佐々木は碧の頭を撫で撫でする。
「えっ?薬?」
キョトンとする碧。
「今のゼリーの中に薬が入ってたんだよん」
「えっ?えっ?そうなんですか!」
甘い苺味しかしなかったので碧は驚いた顔を見せる。
「そうなんですよ碧ちゃん、偉い偉い」
佐々木は小さい子供を誉めるみたいに頭を撫で、碧も嫌がる素振りを見せない。
むーっ、
西島はイライラ。
「用が済んだら帰れ」
「冷たいなあ西島くんは。お客さんにお茶くらい出せよ」
誰が出すか!
なんてイラつくが、
碧が見ている。
何か、悪い印象を与えたくなくて西島は渋々、お茶を用意しに行く。
にゃ~ん
諭吉は西島の後を追う。
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