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結局は眠れずに
西島は餌を片手に公園に居た。
気分転換に散歩がてらに、にゃんこに会いに来たのだ。
あのままじゃ悶え死にそうで耐えられない。
にゃーっ
にゃんこの鳴き声。
「ごめんな、ご飯遅くなって」
西島は餌を置くと、少し離れた。
にゃんこは西島が離れると待ち構えたように食べ始める。
触れたならな。
もし、触れたらにゃんこを連れて帰ろうと思っていた。
少し成長しているように見えるにゃんこ。
モソモソと食べる姿は碧を思い出す。
碧も懐かなかったけど、昼間から今の時間に掛けて、少し懐いてくれたみたいに感じる。
嬉しい。
何でこんなに嬉しいのか自分でも理解出来ない。
でも、嬉しい気持ちは西島の胸辺りを温かくしてくれるのだ。
にゃんこが食べ終わり、にゃーんと鳴いた。
足りないのかな?なんて思っていると、
「ごちそうさまだとさ」
ふいに聞こえた声。
足元を見ると諭吉がちょこんと座っている。
い、いつのまに!
自分が出た時に一緒に出たのか?と焦った。
碧がもし、目を覚ましたら諭吉を探す。
「なんで、着いてきたーっ!佐藤が起きたら心配するだろーっ」
諭吉をガッシリを掴む。
「ニッシーは心配性やな」
諭吉はフンフンと鼻を動かして匂いを嗅ぐ。
いや、猫はしゃべらない!
気のせい気のせい!
もう、そう思う事にした。
にゃんこがまた鳴いた。
「また来てね。だとさ」
にゃんこはどこかへ消えていく。
また来てね。
「また来てねとか言ってたのか?」
西島は諭吉を見た。
凄く凄く嬉しい!
「そうたい。あの子はニッシーば毎日待っとるみたいやな」
毎日待ってる?俺を?
そっかー、俺を……………
って、俺、猫と会話とか、絶対にノイローゼか何かなあ?
もう、帰ろう。
西島は諭吉を連れてマンションへ帰る。
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