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「お、おはようございます」
西島も挨拶をした。
碧はニコッと笑うと、コトンとその場でまた眠ってしまった。
ね、寝ぼけてましたか!
西島はホッと息を吐く。
碧は猫みたいに丸くなって眠っている。
なんだかなあ~
西島は碧に振り回されっ放し。
でも、
可愛いから許す!
西島は碧の髪を撫でた。
悶々としていた自分と裏腹、碧は無邪気な寝顔。
俺がどれだけテンパったと……
丸くなっている碧の身体を起こし、抱き上げてベッドへ戻す。
そして、額を触ってみる。
まだ熱いが多少は下がっているようだ。
氷枕はとっくにぬるくなっていて、枕を手にキッチンへ向かう。
時間は7時。
休みなのに早起きしてしまったな。
西島の休みは昼頃に起き出して、ゴソゴソと家事をしたりパソコンで猫動画みたり……
リア充は絶滅しろ!と思うくらいに、つまらない休日を過ごしてきた。
「マグロ」
また聞こえた幻聴。
「マグロはもうない」
幻聴に返事するなんて、俺は多分、人生つまらなすぎて頭が腐っているのだろう。
「け、ばりしけとう」
声の主は、軽いフットワークでキッチンへと登ってきた。
「しょんなかけん、違う飯で良か」
あ…………、
俺、末期だ。
猫に文句言われてる。
「さっきチャンスばやったとに、何で交尾せんやった?」
西島固まる。
何を、
この猫はきっとにゃーにゃー鳴いているに違いない。
うん、だから、
交尾せんやった?とか、
これは俺の心の声か?
いんや、違う!
俺は佐々木じゃない!
とりあえず、朝食作ろう。
うん。
あ、猫に餌もあげなきゃ……
「また無視か?ニッシーは童貞か?」
手にした鍋を危うく落としそうになった。
「誰が童貞だよ」
思わず返した。
「やり方しらんとかと思ったけど違うとや?なら、何で交尾せんとや?」
交尾、
この猫は何を言っているんだ?
あ、そうだ、そもそも猫は喋らない。
うん、俺………
神林に診て貰おう。
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