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髪を拭きながら戻ってきた西島。
「えっ?風呂入ってたんですか?」
少し驚き顔の斉藤。
「まあな、」
本当の理由は言えない西島は目をそらしたままに答える。
「一緒に入りたかった」
「入るか!」
真顔でそう言ってくる斉藤に眉間にシワを寄せながらに即答する西島。
「そろそろ帰るわ」
斉藤と西島の会話を遮るように佐々木はそう言う。
やった!帰るのか!とホッとする西島。
「え~、俺はもっと部長と居たいので残ります」
手を上げて発言する斉藤に西島はウンザリ顔。
「斉藤も帰りなさい」
「ちぇ、冷たい!碧には優しいくせに!俺にも優しくしてください!」
「俺の優しさは許容範囲が狭いんだ」
西島はキッパリと言い放つ。
「………それって、碧しか優しくしないって言ってますよね?」
斉藤の鋭い突っ込みに西島は黙り込む。
「もう、部長って嘘つけないですよね。笑い飛ばすとか、違うって否定するとかしないんですもん」
この指摘にも西島は黙る。
今更、違うとか言うのも余計に突っ込みがきそうだし、誰もが納得しそうな言い訳さえも思いつかない。
「でも、そんな所も好きですよ俺」
ニッコリ笑う斉藤。
斉藤はちょっとや、そっとじゃ諦めないような感じがして、西島はどうして良いかコメントに困る。
自分でも不思議だ。
碧が絡むと何時もの自分では無くなる。
「碧と2人っきりにして帰るの心配だけど、部長って常識ありそうだし、……碧も良くなればアパートに帰るだろうし。まあ、今日は我慢して帰ります」
何だろう、コイツのこの自信は………
諦めないし、突き進むし、
そう考える西島は斉藤の性格が羨ましくも思える。
*****
2人は帰って行った。
寝室に戻ると、
「マグロもうないとや?」
きたーっ!
と正直思った西島。
「ないよ」
「しけとお」
しけとお。
また、猫にしけとお。言われた……………
いや、猫はしけとお。言わない!
気を取り直して西島は碧の様子を気にするように顔を覗き込んだ。
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