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「えっ、いや、神林も聞いたのか諭吉がしゃべるの」
何故、自分が凄く焦っているのだろう?なんて思う西島。
「マグロ美味いって言うんだろ?さっき、斉藤くんが動画を送ってきた」
あ、
なるほどね……
「だから、じゃーん!マグロ!」
神林はマグロを鞄から出す。
「まぐろぅ」
諭吉の目が輝き、雄叫びを上げる。
ジタバタ暴れて西島の腕から飛び降りると、神林の元へとすり寄る諭吉。
「へ~、本当に言うんだ」
感心しながらマグロのパックのビニールを外して諭吉に与える。
「まぐろー!」
ガツガツ勢い良く食べる諭吉。
お前、さっきも食べただろ?って、突っ込みをしたい西島。
「西島、碧ちゃんはただの打ち身だ。安心しろ」
神林はその場に座り諭吉の頭を撫でながら言う。
その言葉でホッとする西島。
「碧ちゃんさ、見てたらほっとけないよな」
まあ……ね、なんて西島も思う。
「良く一人暮らし出来るよな?大丈夫なん?今みたいに熱出したり、怪我したり」
神林の言葉は西島が常に考えている事と同じだった。
「具合良くなったら一人の部屋に戻すんだろ?いいのか?」
神林は西島を見上げた。
いいのか?
いいのか?って何が?
西島は言葉にはしない。
「それに諭吉。碧ちゃん手当の間、諭吉を実家に戻したくないって言ってたんだよね。一人暮らし寂しいから、でも、碧ちゃんちはペット禁止だろ?……でも、西島の部屋はペット禁止じゃない」
ニコッと笑う神林。
「何が言いたい?」
ようやく言葉を発した西島。
「分かってるくせに」
神林は諭吉へ視線を戻す。
「佐藤はまだ未成年だけど社会人だし、一人暮らしは俺だって18からした」
「うん、知ってる。でも、お前はしっかりしてたし、碧ちゃんみたいに危なっかしくなかった」
その突っ込みに、確かに碧は危なっかしいと思った。
「諭吉くらい預かってやれば?休みの度に諭吉に会いに行ってたらしいし……西島、猫好きだろ?」
そう言われ、頷く。
頷いた後に、何故に神林に説得されてるんだろうと疑問にも思った。
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