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神林は不思議な男だ。
結構、付き合いが長いが未だに読めない。
佐々木が単純だからかも知れないが。
で、神林にのまれてしまう自分がいる。
「諭吉のマグロも聞けたし、帰るわ」
神林はヒラヒラと手を振り、帰って行った。
残された諭吉と西島。
諭吉はモフモフした尻尾を振りながら碧の元へと行く。
諭吉を預かる……かあ。
アイツ、喋るんだぞ?
………いや、猫は喋らない、喋らない!
西島も碧の側へと行く。
「部長、すみません」
碧は西島を見るなり謝る。
理由はまた神林を呼んでくれたから。
腕には包帯。
きっと膝にも。
「いや、いいよ。大丈夫か?」
「はい」
ニコッと笑う碧が可愛い。
それと同時に頬にキスされたのを思い出した。
ちゅっ、って……
碧はどんな夢を見ていたのだろう?
「佐藤、……さっき、寝言で俺の名前呼んでたけど、どんな夢見てたんだ?」
思い切って聞いてみたのは良いけれど、ドキドキしてきた。
何、ドキドキしているんだと思う。
どんな夢?
碧は西島に聞かれ、内容を思い出した。
きゃー、
碧は顔が一気に熱くなるのを感じた。
夢、夢の内容!
凄く焦る、
僕、部長の名前呼んだの?
嘘、うそ、うそだーっ!
やばい、僕がエッチな子だって思われちゃう!
部長に嫌われちゃう!
「すすすす、すみません、おぼ、おぼえてませんっ」
真っ赤な顔で動揺しまくりな碧。
これだけで夢の内容が分かる。
西島はアタフタする碧をみて、
好きっ、って言われたのも思い出す。
好きって、違う意味かも知れない!
好きって、色々あるじゃん!
言葉の間に何かあったかも知れないし。
部長、猫が好きですか?
とかの間が無かっただけかも知れないだろ?
うん、そうだよ。
俺みたいな年が離れたオッサン……
いや、俺はまだオッサンじゃない!
でも18からみたらオッサンだな。
テンパって照れる碧と、
好きの意味を考えて悶える西島。
諭吉はそんな二人を見ながら、
やれやれ、似た者同士ばい。とため息をつく。
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