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ぎゅっと、した西島は、
「よしよし、」
碧の背中をトントンする。
まるで赤ちゃんをあやすように。
こ、これでいいのかな?
碧がどう甘えたいのか分からない西島には手探り状態の甘やかし。
実際は甘えてなどはいないのだけれど、
神林の影響だ。
ぎゅっと抱きしめた碧はやわらかくて温かい。
子猫みたいだ。
それに何か甘くて良い匂いがする。
ふわふわ、
そんなイメージ。
*******
えーーと、
この状況は何だろう?
と碧は悩む。
西島の上に落ちたかと思えば次の瞬間見つめ合い、しかも、今は抱きしめられている。
ドキドキ、
ドキドキしたのに、
西島が背中をトントンしながら「よしよし」と子供を寝かすような行動を取り始めて、碧を悩ませる。
どうしたら良いのかな?
あ、もしかして僕が寝ぼけて落ちたと思ったのかな?
部長……………………………優しい!
きっと、そうだ!
また眠るようにと背中トントンしてくれているんだ。
昔、おばあちゃんに背中をトントンされながら眠っていた記憶を思い出す。
じゃあ、眠った方が良いのかな?
碧は目を瞑った。
部長……温かいですね。
それに良い匂いがします!
目を閉じても伝わる西島の体温と香り。
寝たふりする碧がそんな事を考えているなんて西島は気付いていない。
寝たふりの碧を見て、
マジで寝た!
そうか、やっぱり甘えたかったのか!
と感動していた。
腕の中で眠る碧が可愛くてたまらない。
子猫を寝かせたみたいだ。
それに碧の寝顔は幼くて可愛い。
だから、つい、
「可愛いな」
と口に出してしまった。
碧の頭を撫でると、抱き上げてベッドに寝かせる。
シーツを綺麗にかけて、
「おやすみ」
と碧へ呟く。
そして、碧を甘やかす為のおやつでも買いに行こうかと思いたつ。
そうだ、病気の時はフルーツとか、甘いものを親が買ってきてくれたもんな!
西島は財布を手に買い出しへと向かった。
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