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◆◆◆◆◆◆◆◆
「うわあああ」
西島の雄叫びで碧は目を覚す。
身体を起こして様子を伺う碧。
急いでスーツを着ている西島の姿が視界に入った。
西島も碧が起きている事に気づき、
「仕事行くから佐藤はちゃんと寝てろよ」
そう言われた碧は、
仕事?
と、一瞬、首を傾げた。
まだ頭がハッキリしていない碧は暫し考える。
何気に時計を見て、碧もようやく覚醒。
西島が雄叫びを上げた理由。
それは、
‥‥‥‥今の時間が7時半だから。
ああーーっ!
遅刻だ!
「ぼ、僕も行きます!」
慌ててベッドから降りようとする碧。
「今日まで休め!いいな!」
西島に止められた。
「で、でも」
「いいから寝てろ」
西島は上着を着ると、髪を整えに洗面台へと急ぐ。
「あ、飯は冷蔵庫にあるから温めて食べなさい。それと、諭吉の飯はキャットフードがキッチンの棚にあるから、それを与えて良いから」
洗面台から思い出したように叫ぶ。
「は、はい!」
碧は返事をしながら洗面台へ。
髪を整えた西島はいつもの西島部長で、それはそれで、カッコいい!なんて、碧は見とれる。
素早用意を終えた西島は玄関へ。
その後を小さい子供みたいに着いてくる碧。
「じゃあ、行って来るから、良い子にしてろよ」
鍵を手にドアをあける。
「は、はい!いってらっしゃい」
碧は西島に声をかける。
いってらっしゃい!
その声に思わず碧を見る西島。
わ、悪くないな。
誰かに見送られるなんて、久しぶり?
にやつくのをこらえ、
「行ってきます」
と、碧に言うと、ドアを閉めた。
行ってきます。
西島の声が碧の頭の中で何度も再生され、
「きゃー、諭吉!聞いた?行ってきますだって!」
騒ぎながらキッチンへ戻る。
ニヤニヤが止まらない。
「にゃー」
諭吉が碧の足元に身体を擦りつけている。
「諭吉、ご飯?」
ニヤニヤしながらキャットフードを取り出す碧。
「マグロぅ」
マグロを請求する諭吉。
「マグロ?だめだよ!我慢して」
皿にフードを入れると、諭吉はクンクン匂いを嗅いで食べ始める。
◆◆◆◆◆◆◆◆
「よう!珍しくギリギリだな」
会社に着くなり佐々木に捕まる西島。
「ギリギリか?いつもと変らない」
平静を装う。
「碧ちゃんといちゃこらしてたんだろ?」
ニヤニヤとした顔の佐々木に少しイラつきながら歩く西島の先に斉藤が待ち構えている。
朝から疲れる2人に溜め息をつく。
「あー、何スカ!溜め息とか!」
目ざとい斉藤の突っ込み。
「うるさい」
「碧は?」
「そうだよ、俺の碧ちゃんは?」
2人の突っ込みもなんだか余計に疲れる。
せっかく、碧に癒やされてきたのに。
「今日まで休ませた」
「えー、じゃあ、まだ部長の部屋ですか?いいなあ、碧」
羨ましいがる斉藤。
「ほら、仕事行けよ、」
面倒くさそうに、斉藤を、追い払う。
チェッ、とふてくされ斉藤は先に行く。
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