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「失礼します」
碧は医務室のドアを開ける。
「碧ちゃん、いらっしゃい。」
神林に笑顔で出迎えられ、碧も笑顔で挨拶をした。
「佐藤、走ってきたのか?」
息を切らし、額に汗が滲む碧。
はい。部長に早く会いたくて。なんて、言葉に出来たらいいのに。碧は言いたい言葉を飲み込む。
「急がなくてもいいんだぞ?転んだら危ないし」
西島はそう言ってポケットからハンカチを出すと碧の汗を拭く。
ドキンっと、くる。部長は僕の心をドキドキさせる。
西島の手が目に映り、その動きを目で追った。
長い指。
また、頭を撫でてくれないかな?なんて、碧は考えていた。
あーぁ、ほんと、付き合っちゃえばいいのに。
神林の目に映る2人はどうみてもバカップルだ。
碧は、ウットリとした顔で西島を見ているし、西島も甲斐甲斐しく碧の世話を焼く。
食事も西島手作りの弁当。
碧の為に作ったんだろうな?って感じの内容に神林は笑いを堪える。
ほんと、互いの気持ちに気付いていないのは 本人達。
はたから見たら、いちゃこらしているように見える2人。楽しくお弁当を食べている時に西島の携帯が鳴る。
西島は画面を確認しながら、碧と神林に、電話に出るからとジェスチャーしながら立ち上がる。
ドアに手をかけながら、電話に出る西島。
「みさき、仕事中に電話してくるんじゃない」
そう、言いながらドアを開けて外へ出て行った。
西島が口にした、みさき。答え方からしたら西島と親しそうで碧は気になる。
ドアの向こうからボソボソ聞えてくる西島の声に碧は耳を集中させた。
「今日はだめだよ。用事があるから‥‥‥」
そんな内容が聞えてくる。
何かを断っているようで、西島がいう用事は碧との約束。
自分を優先させてくれている西島に碧は嬉しくなる。
「碧ちゃん、気になる?」
碧は食べるのも止めて、懸命に西島の話声に聞き入っており、可愛くて笑いがでそうだ。
神林に声をかけられて、我に返った碧は真っ赤な顔で俯く。
いやはや、可愛い!
しばらくして、西島が戻ってきた。
「佐藤、今日の約束だけど‥‥」
言いにくそうに碧を見つめる西島。
あれ?部長、断っていませんでしたか?
自分の約束が断られるのかな?と、少し寂しく思った。
「先に部屋で待っててくれ。用事を済ませてくるから」
西島はそう言うと部屋の鍵を碧に渡す。
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