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まだまだ肌寒い夜
真っ暗な窓には激しい雨が打ち付けていた
「連絡ついた?」
「…ぁ、ウス!」
ぶっきらぼうにそう言った聞いてきた声に少し遅れて返事を返す
「……はぁー、岩ちゃん気付かないし……」
携帯を見てドカッと隅に畳んだ布団に座った及川さんを横目で見る
「……やっぱり帰った方が……」
「はぁ?この雨の中?風邪になって
俺のせいにされんの嫌なんだけど」
そう言われ手に持った鞄を床に下ろす
及川さんはさっきからずっと携帯を見ている
静かになった部屋をキョロキョロする訳にもいかないから
まだ少し冷えている手をただ見ていた
「…………寒い?」
意外な事を聞かれ驚く
「……す、少し……」
そう言うと何も言わず立ち上がった及川さんは部屋を出て行った
……なんだ、聞かれただけか
止む気配の無い窓の外をじっと見ていた
俺が今及川さんの家に居るのには理由がある。
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