アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
僕はツッキーが好き、でもツッキーは男。僕も男。
それでも好き。
意地悪で、優しくて、冷たくて、温かい君が好き。
そんなツッキーが自慢で好きなのに、
「…………」
僕は醜く嫉妬する。
黒板をつまんなそうに眺めペンを指先でクルクルと回している
授業中は僕の至福の時だ。
細く長い腕と指、くせっ毛の髪に可愛い耳
瞬き一つ、呼吸一つ、君の奥で響く心拍数一つで僕は
「(あぁ、愛おしい)」
ここにいる意味を実感している
でも、そう思っているのは僕だけじゃない。
僕ほど本質を突いてはいないけど
ツッキーに好意を向けている女子がいる
休み時間になれば女子がチラチラとツッキーを覗き見て
声をかけられると紅くなる
体の膨らみ、柔らかさ、顔、声、仕草、
彼女達より僕が優れているものってなんだろう?
ふと、終わりを告げるチャイムが鳴る
「(授業終わった……)」
ノートを片付けたツッキーは日直のため教卓のプリントを女子とまとめている
ノート移してないや…………ツッキーに見せてもらおう
立ち上がり教卓の方へ向かおうと
「これ、主席番号逆だよ」
『…えっ!?うそ!』
「コレとコレは逆、表と裏も逆だよ」
『えっ、これが、こっちで…裏で……』
「ちょっ、プリント教卓から落ちるよ」
慌てる女子をツッキーは小さく笑った。
そんなツッキーを見た女子はみるみる紅くなって
『かっ……』
「なーにしてるのツッキー?」
「これ、僕達が運ぶからいいよ」
『…………えっ!ぁ、う、うん!』
ハッとして返事をした女子はまだ顔が紅い
「え!?僕日直じゃないのに!?」
「うるさい山口」
と言いつつ渡されたプリントをしっかり手に取った
もちろん量はツッキーより少な目。
僕は笑いながらツッキーの後を追いかけた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
55 / 64