アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1
-
「冷蔵庫に3日分の飯タッパーに入れてあるから
TV見る時は毛布被って布団で寝ること
洗濯物はちゃんと叩いてから干すんだぞ
夜遅くなると冷え込むから朝は上着を」
「あの、俺大丈夫です。」
まだ続きそうな言葉に被せるとハッとした顔をした
「…………そう、だよな、出来るよな」
「……うす。」
なんとも言えない空気が流れた
「えーっと……じゃあ、行ってくる」
そう言って寂しそうな笑みをこぼして
少し強く頭を撫でられた
「ぁ、はい……行ってらっしゃい」
ぐしゃぐしゃにされた頭で俺は力なく手を振った
ガチャン
玄関の扉は重く閉じてしまった
「……ほんとに、行っちまった……」
一さんは出張で2週間帰ってこれなくなってしまったのだ
本来なら出張は一さんの役割じゃなかったのだが
出張予定だった人に子供が産まれて
それを聞いた課長が気を利かせて
独り身の一さんが変わりに行く事になってしまったのだ
「まぁ、仕方ねーし、仕事だし……もう行っちまったし……」
当の一さんは凄く嫌がっていた、
『子供が産まれたのはめでたいけど、けど、
なんで俺なんだよぉ〜……』
なんて、お酒を飲みながら珍しく愚痴をこぼしていた
俺はもう既に頑張っている一さんに
頑張って下さいも、何も言えなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
64 / 64