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俺は1人及川を学校の屋上に置いたまま階段を降りた
「(あいつ、泣いてた。)」
一番泣かせたくない人を泣かせてしまった。
でも、こうするしかなかった、俺は正しい選択をしたんだ
でないと、俺は大切な人の人生を台無しにしてしまうから。
そう何度も何度も心の中で言い聞かせても
行き場を無くした心はどうすればいいのだろうか
階段を降り廊下を曲がる
アイツには選ぶべき未来がある。
もう、後ろなんか見るわけにはいか
「逃げんなよ!!!!」
こんなでっかい声アイツしかいねぇだろ…来んの早すぎだろ…
俺はまた歩きだそうとすると
ガシッ
「って!いって!!離せよ!!クソが!!」
グングンと俺の手首を掴んで来た道を戻る及川
「おい!離せよ!!」
「や、だねバーーーカ!!!」
そういうアイツの声は震えてて、
多分今スッゲェブッサイクな顔してるんだろうな
「なんなの…逃げるの嫌いなくせにっ……」
「は?逃げる?何からだよ……」
勘が鋭いコイツは気付いたんだろうな
「………お前気付いてんだろ、だったら離せよ
気持ち悪いだろ。」
自分自身に吐き捨てるように言うと
「なに?岩ちゃんの愛した人が気持ち悪いっていうの??」
「は」
意味のわからない言葉に眉間にシワを寄せる
グイッ
と引き寄せられ真っ暗になる視界
「あんなダッサイ捨て台詞なんかじゃ俺はときめかないよ?」
そう言って及川は濡れた微笑みを浮かべた。
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