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「ありがとう」
半歩前を歩く背中が揺れている
「……っだよ急に。」
「今しかいうタイミング無いな、って思ってさ」
「……そうかよ」
ありがとう、それは今までの感謝を伝える言葉。なのに
俺には切なく聞こえてならなかった。
「岩ちゃんがいたからここまで来れた、
もちろん今までの皆も含めてね。
岩ちゃん、両親、監督、チームメイト、ライバル、
皆のおかげだよ。」
一つずつ指を折って数えていくソイツの横顔は寒さで鼻が少し赤かった
名前を呼ばれた時に白い吐息が暗い空に消えた
「ほんと、ありがとう」
「…………おう」
あんなに小さくて、弱くて、女みたいだったアイツが
いつの間にか俺よりでかくなって、バレー馬鹿になって
バケモノと呼ばれるほどの実力者になった
努力の天才、及川徹。
俺の幼馴染みで、相棒で、俺の
「……明日、行ってくるね」
日の丸を背負う男になった。
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