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「……遅い」
待ち合わせの時間は15分過ぎた
こうして待たされている所も振り回されている気がしてならない
「つきしまーーー!!!」
遠くから手を振って駆け寄ってくる木兎さんは
「ちょ……!は、恥ずかしいからやめてください……!」
少し背が伸びてカジュアルなカッコイイ服装に足の長さが強調されている
それだけでも人目を惹くっていうのに
こんな無邪気なんて、お姉さんからの人気が一層増しますよ。
「……今度遅れたら何か奢って貰いますよ」
マフラーを口元まで持ってきて温もりを保とうとする僕の頬に
「あっつ!!」
「ご、ごめん!!」
バッと手を引いた木兎さんの手にはホットココア
「火傷してないか!?大丈夫か!?」
そう言って冷えた手を当ててくる
「大丈夫ですから触らないで下さい」
そう言って手を払う
こんなことは日常茶飯事、スキンシップの多い人だから
「うぅ…ごめんな、熱いから気をつけて飲めよ」
少しショボンとした木兎さんは僕にココアを渡してくれた
「……ありがとうございます」
そう言ってココアを飲む、
甘くホッとした温もりがとても美味しい
「なぁ、月島ー」
「はい?」
ホットココアで手を暖めながら木兎さんを見る
マフラーしてくれば良かったのに、首元寒そう
顔も少し赤い……
「えっと、好きだから付き合って、ください」
そう言って恥ずかしそうに笑った。
振りまわされている事が楽しくて、嬉しくて恋に落ちた。
木兎さんも僕と一緒にいて楽しいと思ってくれたのだろうか?
ホットココアのプレゼント、集合時間15分遅れ
場所は子供が遊んでいる公園前
ムードの欠片もないいきなりの告白。
「……はい」
それでも僕はこの人を憎めないのだろう
END
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