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うっ……(´;ω;`)
-
ニャンコがそう言うと、後ろに控えていた男子2人が指や
ら肩やらを鳴らし始める。
あぁ、これを回避することは……、無理そうだ。
「あんたが悪いんだからねっ!言う事聞かないから!」
俺のどこが悪いってんだ…。
「やっちゃって!」
と、同時に。一人の男が俺の後ろに回り、突然両腕を拘束する。
もう1人のやつが俺の前に立つと、拳を顔の前に持ってきて、止めた。
「悪ぃな、桃江(モモエ)の言うことだから。」
俺にずっと理不尽なことを吐いていたのは、桃江と言うの
か。顔にぴったりな名前だな。
少し現実逃避がしたくて、そんなどうでもいいことを考えてみる。
その直後、拳が、いや、視界が見えなくなったのと同時に
痛みが襲ってきたのは、言うまでもない。
……………………今、何時だ……?
もう外は暗いから、おそらく夕方ではないよな。
ボーッと霞む視界で、辺りを見回した。
縁下、心配してるかな。いや、それは…。たかが同室者で、しかも友達でもないやつに心配はしないないかな。
でも、いつも部屋で飯を食う俺がいないことには、おかしい、くらいには思うかな。
「っ…………ててっ、」
本来は起こしたくない体を無理矢理に起こす。ここにずっ
といても仕方ないからな。
しかし、立ち上がった瞬間に全身が痛みを訴えてくる。
「くそ……、あいつら容赦ねぇ……。」
少しよろけながら、空き教室を出て、廊下をふらふらと歩
く。校舎の玄関にたどり着き、そのまま寮へ向かう。
まだ足取りはふらふらしているが、歩けるのだから、そこ
はラッキーだった。
寮に着くと、真っ先に自分の部屋へと向かう。
もう何もかもどうでもいいから、とにかくベッドに横にな
りたい。
そう思って玄関の鍵を開ける。
───ガチャッ
壁に手をつき、伝うように進むと、リビングに縁下がい
た。いつもは部屋にいるのに、何故今日に限って。
誰に対しても、こんな姿は見られたくない。
俺に気づいた縁下は、こちらを見ると、本当に驚いた様子
で、目を見開いた。
…あ、こいつの目がこんなに開いてるとこ、初めて見た。
こんなことを考えていても、きっと今の俺の顔は非常に情
けないことだろう。
「阿久津……、どうしたの、それ。」
言葉は冷静でも、顔は少し困惑気味のようにも見える。
「ちょっと階段で派手に転んじゃってな。」
今の嘘はオーソドックスかつ苦しすぎないだろうか。
だが縁の下は、
「…………そうか。」
何も聞かずにいてくれた。
きっと俺が言いたくないことだと察したんだろう。
「とりあえず、ここ座って。」
そう言われて、俺は素直にそのソファに座った。
縁下は手に救急箱を持っていた。
実は俺も帰ったら、寮の各部屋に備えつけられている十分
過ぎる内容の救急箱を使って手当てをしようとしていた。
まあ、それよりもだるさが勝って結局ベッドに行こうとし
てたんだけどね。
俺の目の前に来た縁下は、救急箱をあさり始めた。
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