アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
痛い痛い痛いいぃ!
-
道具やらなにやらを揃えた縁の下は、まず消毒液を染み込
ませたコットンのようなもので傷口をポンポンしてきた。
「ごめんな、ちょっと痛い」
「ぅ、いっ……!」
傷口に触れた瞬間に激痛がはしり、思わず声を出さずには
いられなかった。
やばいやばいやばい!消毒液ってこんなにしみるっけ!?
俺は涙が滲み出してくるほど痛かったが、
「よしよし、大丈夫だから。」
縁下がそう言いながら俺の頭をぽんぽんしてきた。
え、ええええー……。
なんか俺すごいガキ扱いされてないか……?
いつも眠そうな縁下の目は、今は穏やかに俺を落ち着かせるように見ており、公園で小さい子供を見ているお父さんにしか見えない。
しかし、ガキ扱いされているのではと思っても、頭を撫でて落ち着かせようとしてくれている様は、本当にお父さんのようで、なんだか心がぎゅっ、となった。
しかし、痛いものは痛いのだ。
「ぐああぁー!死ぬ死ぬ!」
「……阿久津、今、夜だから。」
しまった。痛みが俺を洗脳してすっかりそんなことは忘れ
てしまっていた。
おそらく隣の部屋のやつは、起きていれば今頃目をひんむいて壁をガン見しているだろう。
「そんな事言われても、痛いんですけど!!」
「ほら、消毒はこれで終わり。」
あー、やっと終わった…。心底ほっとしたぜ。
俺が一息ついていると、今度はガーゼのようなものを取り
出した。そして消毒をしたところひとつひとつにしっかりと手当てしていく。
「…………はい。簡単だけど、これで一応は大丈夫だと思うから。」
「おおー…!ありがと、縁下。」
本当に感謝感謝である。それに、こんなに縁下とコミュニケーションをとるのは初めてかもしれない。
ふぅー、今日は風呂にも入れないし、本来ならすぐに寝よ
うと思ってたし、その通りにするか。
俺はもう一度縁下にお礼を言って、
「縁下、ホンットにサンキュ。助かったわー。」
自室に向かおうとした。
「…阿久津、今日、一緒に寝よっか。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 45