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俺の弱点
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「それより、体は大丈夫なのか?」
さっきから感じてはいたが、やはりまだ少し痛い。だが昨日の直後よりははるかにましである。
「まあな。昨日よりはだいぶ良くなった。」
俺は嬉しくて、少し笑いながら言った。
「そっか、良かったな。」
そう言うと、縁下も目を細めて笑った。見たこともない、
優しい顔で。
え。今、笑ったよね?縁下。
……う、う、うっ、うごおおあああああ!
縁下が笑うところ初めて見た…!BL思考とあいまって少し興奮してしまったぜ。
あいついつも無表情なのに、ああいう顔もたまにはできるのか。結構驚いた。
そーいえば、腹減ったな。
「縁下、今日は飯…………」
「あぁ、今日は作らない。」
くそ…作らないのか…。
じゃあ購買に買いに行くかー。
「じゃあ俺、購買行ってくるわ。」
「あぁ、俺も行く。」
お、今日は一緒に行くのか。いつもばらばらだったから、
一緒に行くのは珍しい。ていうか、初めてだ。
俺と縁下も仲良くなったもんだな。あ、俺達友達なのか?
友達だろ。一緒に弁当買いに行ったら友達だよもう。
何?なんか文句ある?いいじゃん別に。1人くらい友達つくらせてくれよ!
そして俺達は寝たときのジャージのままで外に出た。
購買は寮を入るとすぐあるから、1階まで降りるしかな
い。何か必要なものは大体1階にある。ちなみに俺と縁下
の部屋は二階である。1年だからな。2年が3階、3年が
4階、そして生徒会が5階、というわけだ。
1階にエレベーターで降りると、購買に着いた。
うーん、どれにしようか。なんか今は結構腹減ってるんだ
よな。よし、決めた。
「俺、肉丼にしよ。」
肉丼を手に取ると、縁下が俺の方を見た。
「……お前、少しは栄養のこととか考えろよ。」
いや、それは分かってる。分かってるんだが、俺はあまり
野菜が得意ではない。結果、こうなる。
すると突然、縁下が俺の腰をがっと掴んできた。何事!?
「うわ……細。お前、こんな食生活でよく太らないな。」
「あひゃひゃひゃっ!無理ぃ!腹ーっ!ごほっ、ごふっ」
突然掴まれた腰、いや腹も含まれる。
俺が一番弱いのは腹なのだ。昔勉強をせずにソファで寝っ転がっていた時、母親が怒って俺をくすぐってきた。俺はあまりのくすぐったさに暴れたが母には適わず永遠とくすぐられ続け…、嫌ならやると言いなさい!と言われ、俺はやると言いたかったのにくすぐった過ぎて言葉を発することが出来なかった。そして地獄の永遠くすぐり攻撃が続いたという事件がある。
その嫌な思い出(またの名をトラウマという)もあり、俺は本当に腹が弱い。
「……え。」
いや何でちょっとひいてるんだよ縁下。お前が悪いだろ。
「……縁下、うひっ、ひいてる割に何故手を離さない。」
「……いや、なんか面白いから。」
「ひいたことは否定しないのな。」
そのタイミングで、縁下の口角が不気味に上がった。気がした。
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