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友達…!?
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「それで、縁下さんとは?」
「うん、ごめんまずさ、舎弟って、同い年だよな?」
「うん、そうだよ?」
うん、そうだよ?って、何の迷いもないな!
「前にさ、不良に絡まれてるとこ、助けてもらったんだ。それがすげぇかっこよくて。」
なるほどな。それで縁下さんとか呼ばれてるのか。
……ん?不良に助けてもらった?
あんないつも眠そうなやつが喧嘩なんか出来るわけないよな……。きっと戦わずしてってやつなんだろうな。
「そうだったのか。俺と縁下は部屋が同室なだけで、関係
って言われても……。友達…なのかな。」
「そうだったのか…。縁下さんがあんなに話してんの、初めて見たからさ。」
「そうなのか?割と喋るぞ。」
「えええ、意外だわ。」
そんな話をしていると、1限目の始まる時間がもうすぐに迫っていた。
「あ、ちなみに俺、なんて呼べばいい?」
「え、いや何でもいいけど…」
「じゃあ、悠人って呼ぶわ。俺のことは優って呼んで!」
……な、んだこれ、まるで友達みたいじゃないか…!
「わ、分かった。」
「じゃ、授業始まるから、席戻るわ!」
薄々気づいてはいたが、こいつ、同じクラスだったのか。
うん、これは言わないでおこう。
それから時間が過ぎて、もう放課後。
「悠人!帰ろうぜー!」
え。一緒にって、ことだよな。と、友達…!?
もしかして友達なの!?
「お、俺達……友達なのか?」
「はっ?当たり前だろ!もう友達だろ?そんなこと気にしてんの?お前、何気に可愛いなあ!」
何か前に誰かにも同じ事を言われた気がする。みんな、俺の顔見えないのになんでなんだろうか。実態はただの平凡だぞ。
でも、素直に、嬉しい。本当に嬉しい。
俺にも、きちんと友達と言える友達が出来た…のかもしれない。
優は部活も特にやってないらしいから、二人で寮への道を
歩く。
「悠人、今日、悠人の部屋行ってもいいか?」
「あー、縁下がいるんだけど……」
「……!」
何故か分からんが、無言でより目をキラキラさせるな。
「駄目か……?」
そんな目で見られたら断れるはずがない。友達がほとんどいない俺にとっては尚更。でも、その前に
「縁下に聞いてみる。」
「おう!」
スマホで縁下に確認してみる。
返事はすぐに返ってきて、内容は″大丈夫″らしい。
「わ、分かった。いいよ。」
「よっしゃああ!」
部屋に友達が来るなんて、初めてのことで、緊張する。
色々と考えていたら、部屋の前に着いた。
鍵は……、あれ、空いてないな。いつもは空いてるのに。
俺は鞄から鍵を出して、部屋へと優を促す。
やっぱりまだ縁下は帰ってきてないみたいだ。
おかしいな、いつもは絶対いるのに。
「上がって。」
「おおう!」
優が上がると、適当にソファに座ってと言ってから、冷蔵
庫に何か無いかと飲み物を探す。
コーラが入っていたのでそれをコップに入れて優に手渡
す。
「えっ。いいのに!ありがとな。」
「いーよ」
優がコーラをグビグビと飲む。いい飲みっぷりだなー。
俺がそれをソファにも座らず見ていると、優が突然立ち上
がった。そして近づいてくる。
「お前、いっつも前髪で顔隠れてるけど、ホントはどんな
顔してるんだ?」
と言って、俺の前髪に手を伸ばしてくる。
別に、絶対隠したい!的なのは無いが、なんとなく反射的
に後ろに後退した。
それでも迫ってくる優。
「おい、なんだよ!?」
「えー、見せてくれたっていいじゃーん。」
一気に手を伸ばしてきたので、俺も思いっきり仰け反る。
そしたら、
「う、うわっ!?」
「え、え!?ちょちょっ!」
瞬間、バターン!という音と共に、俺と優は床に倒れた。
「いっ……!」
「ごめんっ!大丈夫か……!?」
昨日の今日で床にダイブはキツい。そして俺の上には優。
優は俺と身長が同じくらいだから、重い。普通に重い。
しかもこれ、場合によったらそういう風に見えてもおかし
くないんじゃ……。俺のBL脳が働いてしまう…。
こんなところに縁下が帰って来たりなんかしたら、確実に
ひかれる!あいつノーマルだし…!
ま、まぁ、そんなタイミングよく帰ってくるなんて、流石に……
「ただいま。遅くなって悪かっ、…………、すまない。」
………………のおおおおおおおおおおおおおお!
違うぅ!違うから縁下!誤解をしないでぇええ!!
完全にフラグ回収しちゃったよ…!
「悠人ぉ…」
ええええ!?!?お前も悪ノリすなあああああああああ!
首元に顔を埋めるなぁあ!
もう、嫌だ…………。
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