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「うぉいっ!優やめろよ!」
「悠人……」
「俺、外出てた方がいいか。」
あぁあ!もう状況がカオス過ぎる…。この悪ノリアホのせいでね!
「おい縁下!お前の舎弟どうにかしろよ!」
「舎弟にした覚えは無いんだがな。どけ花咲。」
「はいっ!分かりましたっ!」
うわこいつウザっ!なんて言えばいいのかな、とにかく腹立つ。
優が俺の上から退いたので、俺も立ち上がる。
「縁下、違うからな。」
「分かってるよ。」
うおおお流石縁下…!
「はー、楽しかった!な?悠人!」
こいつぶん殴っていいかな。駄目かな。
「それより、お前何で今日来たんだ。」
「えー!俺が来ちゃ駄目なんすかー?」
なんか縁下も疲れたような顔をしている。
分かる!分かるよ縁下……!
とりあえずソファに座ろうということになり、俺達はそれ
ぞれ座った。
「俺さー、全然悠人のこと知らないから、色々知りたいん
だよね。」
「いや、話すことなんて特に無いけど…。」
「じゃあまず顔見せて!」
こいつどんだけ顔見たいんだよ。見せたところで平凡過ぎ
て変な空気になるだけだろうよ。
「やだ。」
「えー、分かった。」
諦めるの早っ!
「じゃあさっきのは一体何だったんだよ!」
「えー?だってさっきは駄目って言われてないもん。」
素直かこいつっ。
「まぁ、見たいけどねー。」
「やめろ花咲、人には見られたくないものがあるだろ。」
いや別に絶対見られたくないわけじゃないけど…。
そして俺は気づいている。縁下の表情がやや期待を含んで
いることに。
「……あーもう、仕方ないな…………。」
「やった!」
俺は本当に仕方ないという感じで、前髪をわけた。
「……はい、こんな顔してますよ。」
「……。」
「……。」
え、なんで誰も何も言わないの ?
「……悠人、お前めっちゃ平凡だな。」
「知ってるよ!平凡で悪かったな!」
ていうかお前が見せろって言ったんだろうが!
その流れで縁下にも目を向けてみると
「……俺は、かっこいいと思うぞ。」
うん、ありがとう。でもな、思いっきり目が泳いで汗かいてるやつに説得力というものは無いんだよ縁下…。
むしろその気遣いが俺の心を抉ってるよ…。
あーもうどうすんだよこの空気!
「…………何かしません!?」
おまえ何かしません!?じゃねぇえよ!話変えすぎ!
「お前、一体なんで来たんだよ……。」
「だって、仲良くなりたいじゃん!悠人と!」
え……。仲良く…って。やっぱりこういうことを言われる
のは慣れていなくて、ウザいと思っていたのにも関わら
ず、嬉しい、と思ってしまう。
こ、こういう時、なんて言えばいいの!?
「え、と。あり、がとう……。」
これ、答え方合ってるのか!?いつもよりも開けている視界でちらっと優の方を見てみれば、優と縁下が二人して俺の顔を凝視していた。
「何だよ?」
「……いや、意外に…、」
俺の問いに優が言葉を途中で止める。
「……いや、何でも無い。」
優が視線を不自然に逸らして、天井を見上げた。
縁下もごほんっ、と咳払いをする。
何だよ、お前ら二人して。
「何、そんなにおかしかったかよ。俺の返事は。」
「え、え!?違う違う!ごめん、拗ねるなって!」
「拗ねてねーし。」
優が俺の隣に移動してきて、頭を撫でてきた。
「何すんだ!俺はガキじゃねえぞ。」
と言っても、ずっと撫で回してくる優。
縁下に再び助けを求めようと、そちらを見ると縁下が何も
言わずにこちらを見ていた。そして突然手を離す優。
何だいきなり。本当によくわからん奴だな。
でも別に俺の答え方はおかしくは無かったみたいだ。
仲良く、なれるかな。なれたら嬉しいと、俺は
密かに心の中で
ささそ思うのであった。
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