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俺、チョロいの巻
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「機嫌直してくれ、阿久津。」
「別に怒ってねーし。」
本当は怒っている。態度にも十分滲み出ている。
先程の一件で、じわじわと苛立ちが込み上げてきた俺は、
今機嫌が悪い。
縁下はそれをすぐに察して謝ってきたが、許してやらん。
諦めたのか、今は料理をテーブルへと運ぼうとしていると
ころだ。
そんなにすぐに諦める縁下なんて絶対に許してやらん。俺
は一度怒ったらその後すごく長いのだ。だから絶対にしば
らくは許してやらないし、口だって聞いてやらな
「かっ、唐揚げだ〜……っ!」
「唐揚げだな。」
「なんで俺の好物知ってるの!?」
「たまたまだよ。」
夕飯に唐揚げなんて最高の日だ!縁下も最高!
「早く食べよ!」
「ああ。」
それから至福の飯を食べたら、時刻は9時。
うーん、まだ寝るには早いよな。そうだ、BL小説読も
う。思いついたからにはすぐ行動。テレビの前にある
ソファへと座り、スマホを開いた。
「うーん、そうだな…。今日は男前受けを読もう。」
俺が男前受け小説を読んでいると、隣に縁下が座ってき
て、テレビをつけた。
うーん、男前受けかー……。縁下も男前なんだよな。
「なあ、縁下。お前さ、ゲイじゃないんだろ?」
「ああ。」
だよな。あぁ、いい逸材なのに……!もったいない!
「彼女は?」
「いない。」
え、いないんだ。すげー意外だな。まあ付き合ってもなか
なか会えないしな。
「何、急にどうしたの。」
「いや、なんとなく気になって。」
言えない。男前受けが生で見れるかもしれないと思って聞
いたなんて絶対言えない。
まあ、縁下は男前は男前だけど、なんか受けって感じはし
ないんだよね。
話が終わったと思ったらしい縁下は、適当にチャンネルを
まわして、今はバラエティ番組を見ている。
そして俺は再びBL小説の世界へ。
そして時間は過ぎて、もう寝ようかという話になった。
「縁下ー、俺もう大丈夫な気がするんだけど。」
「駄目。まだ数日しか経ってないだろ。危険だ。」
「へい。」
心配してくれているのは分かるし、縁下の言っていること
も正しいと思うから、今日も素直に従うしかなかろう。
昨日初めて見た縁下の部屋に今日で二回目だ。
今までだったらありえないことだ。縁下とこんな仲になれ
たなら、怪我も恨めないかもな。
「はー!疲れたー。」
「………おい。リラックスしすぎだろ。」
俺は今縁下のベッドに大の字になって寝転がっている。
「うーん、だって俺のベッドより少しでかいんだもん。」
まあ男ふたりで寝たら狭いけどね。
縁下を見ると俺の方をじと目で見ていたためおとなしく場
所を開けた。
「今日もホールドされるんだよな。」
「仕方ないだろ。」
仕方ないのは分かっているが……、分かってるけどさ、う
ん……。分かるでしょ……?
「ほら、こっち来て。」
「ほいさー。」
そして密着。密着ってなんか変な言い方だよね。まあ間違
ってないんどけど。
「今日は弟と間違えるなよ。あと耳食うなよ!」
「わかってる。それより、何耳食うって。」
あ、こいつ知らなかったんだ。言ったらきょどるかな、こ
いつ。普段クールだからな。
「お前、昨日寝てた時俺の耳甘噛みしてきたんだよ。」
「…………。」
「あれ、どうしたんだね?縁下くん。」
「………こんなふうに?」
「……ひっ!?」
縁下、それ、甘噛みっていうか、舐めてるから!
「やめっ…、なっ…お前!」
「お前反応面白いから。」
俺で遊ぶなぁあああ!もう疲れた………。
「寝ようぜ…。」
「そうだな。」
おやすみと一つ挨拶をしてから、俺達は眠りへとついた。
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