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保健室にて
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俺は保健室が嫌いである。
何故なら…………。
「どこのニャンコちゃんが来たかと思ったら、まじか
よ……。って、意外な組み合わせだなぁ。」
この金髪クソ保健医がいるからである。
今のセリフで完がいい腐ったやつにはすぐ分かるだろう。
この保健医、笹目 凪 (ササメ ナギ)は、保健室に来たあらゆる
ニャンコたちを押し倒し、そして行為に浸っているという
仕事しろよっ!とツッコミたくなる保健医なのである。
これまた顔がイケメンであるため、この保健医のファンの
ニャンコたちは、わざとここに来るやつも少なくない。
腐男子の俺からしてみれば最っ高な話だが、それとは別の
話である。俺は、人間としてこのクソ保健医が嫌いなので
ある。
以前、入学してすぐの時、俺は体育の授業で怪我をした。
その際、俺は大丈夫だと言ったが体育の教師が保健室に行
けと言い、血も出ていたので言う通りにすることにした。
そして、初めて保健室の扉を開けた時。
「はーいいらっしゃい。一体どうし、…えぇ………。」
俺の顔を見た瞬間、あからさまにお前は違うみたいな顔を
されたのが出会いである。
そして、極めつけに。
「なに、怪我?そこに救急箱置いてあるから。」
そう言って、自分は雑誌を読み始めた。
その瞬間、俺はこの保健医が心底嫌いになったのである。
お前は何のためにその真っ白な白衣を身につけているのだ
と問いたい。
それからは、怪我をしても寮の部屋にある救急箱で済ます
ようにしてきた。しかし、Yシャツを借りるとなると、こ
こに近づかないわけにはいかない。
本当はすごく来たくなかったが、相楽のジャケットを借り
ている以上、保健室で借りるしかないのだ。
だから、ここに来るのは本日で2回目。見たくもない顔を
また見ることになるとはな……。
「……Yシャツを借りたいんですが。」
「はいはい、Yシャツねー。」
面倒くさそうに回転椅子から立ち上がると、何やら収納箱
のようなものに近づいていった。そして1枚を適当に取り
出すと、
「ほれ。これに名前書いといてー。」
と言って俺にYシャツと借りた人の名前を書く表を手渡し
た。
「ありがとうございます。……あ、これ、さんきゅな。」
俺は借りていたジャケットを相楽に返して、Yシャツを着
ようとしたが、そこで視線に気がついた。
顔を上げると、回転椅子に戻って座った保健医が、その過
程をまじまじと見ていた。
「君、かっこいいねぇ。タチ?」
相楽を見ていた、の間違いか。
この保険医の主食はニャンコだが、タチ食いも大好物らし
い。……………………ん?待てよ。これ、最高のカプじゃな
いか……?明らかに攻めそうで、みんなが抱かれたいと思
う相楽が、実は保健医の下で……とか、良くない!?
あれ、でもこいつみんなの前では猫被ってるんだったな。
あの優しそーなキャラなら、抱きたいと思うやつもきっと
いるだろうな。まあこの性格じゃ、実際は攻めだろうと見
当はつくが、本当の本当はどうなのだろうか。
……そういえば、相楽のそういう噂を俺は全く聞いたこと
がない。ニャンコたちから物凄くちやほやされているのは
見ていて分かるが、実際にニャンコたちとのそういう噂は
全く知らない。隠しているのか、それとも本当に無いの
か。後者だとしたら、珍しいことである。
「さあ、どうでしょうね?それに僕はそういうのあまり興
味無いので。」
猫を被った面でニコニコと微笑む相楽。……ほんとに演技
うまいな。
「あーそう?いいねぇ。そういうの俺好きだよ。」
と言って、俺達のいる方へと歩いてくる保健医。
そこで、ふと視線を相楽から俺へと移した。
「あれ、君さぁ……、結構いい体してるじゃん。」
そして俺の腹部へと手を伸ばしてきた。
しかし、
「Yシャツも借りたことだし、行こうか。」
相楽に肩を引かれて、触れられる事は無かった。
「え、あぁ。そうだな。」
そして、俺達は保健室を後にした。
「なーにあれ。すごい睨んじゃって。あの子あんなキャラ
だったっけ?」
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