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実は何気に
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教室に戻ると、先に戻っていたようで、相楽はニャンコ達
に囲まれていた。
「海星くーん!どうして2時限目までいなかったのー?」
「うんうん!僕もすっっっごく気になってた!」
やはりというか、なんというか、相楽は何故授業を受けて
いなかったのか、問い詰められている様子だ。
「うん、ちょっと体調がわるくてね。」
「えええ……!?大変!大丈夫なのぉー?」
「うん、平気だよ。ありがとう。」
上手く誤魔化しているようだ。それにしても簡単にニャン
コ達を信じさせる相楽、流石としか言いようがない。
そんな時、ふと目が合った。
相楽は、周りに気づかれないように俺に小さく微笑んだ。
俺はというと、さっと目を逸らした。
あいつめ…、みんながいる所で、仮にでもバレたりした
ら……、。考えただけでも恐ろしい。もうあんな目に合う
のはたくさんだ。
「きゃぁあっ!?今、海星くん、僕を見て微笑んだーっ!」
「なわけないでしょっ!?僕を見てたんだよ!」
………………。
心配無さそうだな。
それに、俺がいなかったことに気付いているクラスメイト
は、
「うぉおおおい!悠人!お前!なんで朝からいなかったわ
け!?」
こいつ以外いそうにない。
「優…。お前さ、無駄に声でかい。」
「えええ!?ごめん!!」
はあぁ……、優と喋ったら、急に力抜けた気がする…。
あぁ、でも、本当に大変なことになった。今日はいろんな
ことがありすぎて、頭も正常に働きそうにない。
とにかく今は、早く寮の自分の部屋に帰って、お気に入り
のBL漫画を読み返したい。
…………読み返したいのに、
「なんでお前がついてきてるんだよっ!!!」
「え?駄目なんですか?」
いつもより長く感じた授業も無事に全て終わり、やっと寮
に帰れる!と思った矢先、人目につかなくなったあたりで
このミルクティー頭は現れた。
今日は優は部活の日らしく、帰りは1人だった。
「駄目もなにも!!お前がついてくる理由が分かんないか
ら!」
「理由?理由ならあります。俺が悠人さんを好きだからで
す。」
「理由になってねーよ!!!」
好きだからついてくるってとんだストーカーだよ!
…もう、俺は今日疲れてるんだ…。こいつもそれは分かっ
ているはず。
「お願いします、俺、悠人さんのお部屋に行きたいです!」
こいつアホなの?馬鹿なの?もう何なの!?
「お前、俺がいいと言うとでも思ってたのか……?」
そう言うと、相楽はあからさまにはしょんぼりしだした。
───────耳と尻尾を垂れ下げて。
「そうですよね……。悠人さん、今日疲れてるのに、こん
なこと言ってすみませんでした……。」
俺は何気に動物が大好きだ。特に子猫や子犬は破壊力抜群
である。
目の前にいるのは大型犬の筈なのに、どうしてバックに子
犬が見えるんだ…………!?
「…………………………あぁもう!分かったよ……。」
「いいんですか!?ありがとうございます!!!」
俺としたことが、子犬の力に負けてしまった…。
あ、耳がたった。おまけにしっぽはフリフリしている。
今日はお気に入りのBL漫画はお預けだな……。
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