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好きな人の、好きな人。千葉は大切にされている。こんな俺じゃあ千葉には勝てない。
「僕これから暁先輩とご飯なので、これくらいでおいとましますね」
「あぁ、明日の全校朝礼に遅れるなよ」
「はい」
小柄で華奢で愛想がいい、俺とは真逆だな。千葉と暁の仲を裂こうなんて考えはない。そんなことをしても暁が悲しむだけだし、俺には何もない。好きな人には笑っていて欲しい、大切にしたい、幸せになって欲しい。そう思っているのは暁だけじゃない。
「潮時、かな」
あいつと初めて会ってもう4年。好きになって4年。俺があいつをどれだけ想っても、あいつはきっと気づかない。無謀な恋をしたものだと、改めて思った。あいつに嫌われても、ずっと好きでいれたのはあいつに恋人がいなかったからだ。
「っ」
でももう潮時なのかもしれない。あの暁が恋人を作った。俺はもう、あいつを好きになってはいけない。千葉と暁が仲良くしているのを見て、悲しくなるのは俺だけだ。
その日は今までの疲れがどっと来て、死んだかのように眠った。
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