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10 西谷side
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うちの会長は超がつくほどの美人で意地っ張りで、そしてとてもお人好し。
風紀委員長のことが好きなことなんてバレバレなのに、ライバルである渚ちゃんをさり気なくフォローする。
風紀室に用のあるときは必ずと言っていいほど渚ちゃんに行くように頼むし、風紀委員長への言伝もメールをすればいいのに渚ちゃんに言ってくるように頼む。
「馬鹿だなぁ、会長」
パラリと落ちる髪の毛を顔にかからないように払いのけ、会長の寝顔をまじまじと見つめる。
顔色は最悪で、隈もひどい。
会長は全然気づいていないけど、全く表情筋が動いていない。
「笑ってるつもりなんだろうな」
あの日、会長の身に何かあった日から会長は上手く笑えなくなった。
このことに気がついているのは俺だけで、他の生徒はもちろん、先生も知らない。
「会長は今寝だしたし、しばらく起きないだろうな」
この1週間ろくに寝ていないことに気がついたのは一昨日のこと。
顧問である武田先生に生徒会室の電気がつけっぱなしって怒られたことがきっかけで。
迂闊だと思った。
会長は何も言いたくなさそうだったけど、なんとなく何があったかなんて理解できる。
意地っ張りな会長の性格からしたら、寝れないことなんて言わないだろうし、人と接することも怖いのなんか言わないに決まってる。
「ごめんな、会長。もっと早く気がつくべきだったな」
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