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19 足立side
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どこで見たのかは思い出せない。けど、会長にはこのことについて話を聞くべきだろうと思って俺は1つ上の階にある生徒会室に足を運んだ。
「失礼すんで、って誰もおらんやん」
生徒会室はもぬけの殻で、ただ不自然だったのは飲みかけの紅茶が会長様専用のデスクの上にあったことだ。これはつい先程までここに会長がいたという証拠になる。
「まさか───」
風紀委員なんて仕事をしているだろうか、嫌な考えばかりが頭に浮かぶ。とにかく、風紀委員で押さえているそういうことが起こりやすい場所を走り回る。
それでも会長はどこにもいなかった。
「新校舎付近じゃないんか……」
あの会長の心配なんて普段ならしない。心配なんていらないほど、会長は強いからだ。ただ、リストに載ってた資料を見た後だからだろうか。嫌な予感と不安は消え去らない。
旧校舎にある使われていない体育館倉庫。新校舎から大分離れた場所にあるため、不良すらも寄り付かないところだが、今日はいつもと違っていた。扉の前に溜まっているホコリが、つい最近扉を開けたように綺麗になかった。
「くっさ。何やねん、この倉庫……あ?」
ホコリ臭いだけじゃない、なにか生臭くて………。暗い倉庫に入口から光が入り、中がよく見える。
「足立か」
「かい、ちょう?」
恐れていたことが起こってしまっていた。
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