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特別パラレル番外編『花火大会』③
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花火大会という地元では年に一度の大きなイベントだけに、的屋も力の入り方が違うのかズラリと軒を連ねている。
その横を悠希たち一行は歩きながら、興味津々で覗いていく。
「取り敢えず、先に場所取りだな‼」
マーロウの声に部員たちも頷く。
これだけの人混み。
早目に行かなければ、花火の一番見やすい場所はあっという間に無くなってしまうだろう。
花火大会開催時間まで、まだ一時間ある。
「ここでいいだろう」
「そうだな」
マーロウと副部長のひとこえで場所を決めた陸上部は、数人が場所を確保して、残りがひとまず出店へと向かった。
悠希は気を使って居残り組に居たのだが、てっきり女子に誘われていたハンターも出店へ向かうのかと思えば悠希の隣へ普通に腰を降ろしたままだ。
「ハンターくんも行ってきたら?美味しそうなお肉とか色々あったよ?」
「そういう先輩こそ、どうして行かないんですか?気を使ってるとか、そんな理由でしょ?本当は見に行きたかったんじゃないんスか?それ、損してますよ」
ハンターはチラリと鋭い視線を投げてきた。
図星な上に、配慮のカケラもないハンターの言葉に、悠希はグッと黙りこんだ。
「だから先輩は俺が居ないとダメなんですよ」
「はあっ⁉」
いきなり何を言ってるのか?
「何でそうなるんだよ⁉別にハンターくんが居なくても僕は大丈夫だし‼それに、ここに残ってても誰かが買ってきてくれるし~行きたくなったら行ってくるもんね~‼」
むくれる悠希にハンターは鼻で軽く笑った。
「あーっ‼今、笑っただろ~⁉失礼だな‼」
「…笑ってませんよ」
「いーや、笑った‼絶対に笑ったもん‼」
「…もんっ、て…。先輩ガキですね」
そんな二人?のやり取りを同じく場所確保で居残りしていた部員数名が興味津々で、こちらを見ていた。
「なぁなぁ、お前ら。ちょっと聞きたいんだけどさ~」
そのうちのひとりが、口元を緩めながら前のめりに訊いてきた。
「二人、つきあってんの?」
まさかの質問に悠希は驚きに絶句したのだった。
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