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相談があるのデスが…。
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日中は家事?をこなし、お昼寝して交尾の疲れを癒して、旦那様の帰りを待っていた悠希は愛しの狼の足音を敏感に聞きつけて出迎えに行く。
宵闇の迫る中を堂々とした体躯の狼がやって来るのが見える。
口には何やら果物を沢山くわえていた。
「あなた、おかえりなさい‼」
悠希は嬉しさに笑顔を浮かべて手を伸ばせば、ハンターが果物を地面に置くと、顔を擦り付けてくる。
極上の毛皮にモフモフと悠希も顔を埋めた。
「お疲れ様」
悠希の労る気持ちが伝わったのか、ハンターは微かに尻尾を振ってみせた。
「わぁっ、今日も凄いね‼」
ハンターからの愛しの妻への晩ご飯の果物は、蔓についたままの微かな甘味のある肉厚な物で、悠希が大好きな物のひとつだった。
「ありがとう‼」
奥の部屋へと戻ると、悠希はさっそく果物を口にした。
そんな悠希を悠々と横になったハンターが愛しげに見つめている。
「ねぇ、今日も縄張りに異常なかった?前みたいに他の狼とか入ってきてないよね?」
悠希が訊くと、ハンターは分かっているのか鼻息だけで答える。
それで全く心配なさそうだと悠希は判断した。
昼間汲んでおいた水を飲んで口を潤すと、ハンターも注いでおいた水をペロペロと舐めていた。
寛いでいる様子を見ると、ホッとする。
昼間はひとりで居るのだが、こうして旦那様の側に居ることの安心感は半端ない。
それは、ここが野生の王国だということも関係しているのだろう。
全てが命に関わるのだから。
食事を終えた悠希は再び喉を潤すと、改めて正座をしてハンターを見た。
そんな悠希の姿に、いつもと違う様子を感じたハンターは、顔を上げた。
どうした?といった顔で悠希を促す。
「あの、あなた‼そのっ、話があります‼」
正座した腿に拳を握って、悠希は口を開いた。
反対されるだろか?
怒られるかな?
色々と思いながら、悠希は考えていた事を口にした。
「僕、一度。博士達の居る村へ帰ってみようと思うんだ‼」
ハンターの目を真剣に見つめながら、悠希は言ったのだった。
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