アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
嬉し恥ずかしの再会なんデス…。
-
「こらっ、そこを動くなよ!!」
いきなり大きな声で叱責されて驚いたが、よくよく思い出せば聞き覚えのある声だ。
「ちょ、ちょっとマーロウ!!僕だよ!」
「えっ!?その声、悠希なの?!」
マーロウが驚きと嬉しさの声を上げて、こちらへと向かってきた。
「わぁっ~!今こっち来ないでーッ!!」
時既に遅し…。
「どうして裸なの…?」
悠希は服を纏う暇もなく、両腕で体を抱きその場に踞ったのだった。
「ありがとう」
マーロウのお言葉に甘えた悠希は、久し振りにシャワーを浴びて髪と体を綺麗に洗い、用意された自分の服へと袖を通した。
こうして人間としての生活が久し振りすぎて、なんだか不思議な気分だ。
室内は程よく冷房も効いていて、過ごしやすい。
テーブルには冷たいお茶が用意してある。
リビングに戻ってきた悠希が礼を言うと、マーロウがパソコンから顔を上げた。
「いえいえ。それよりも今、博士に連絡したから!直ぐに帰ってくるよ!!」
博士は丁度ハンターとは別の狼家族の追跡で、出掛けているらしい。
「それにしても本当に悠希が無事で良かったよ」
「本当に、本当にごめん」
マーロウの心底心配してくれていた様子に、悠希は頭を下げた。
「博士と随分探したんですよ。村の人にも協力をして貰ったんですけど…。けれど、隣村で捕まった密猟者からハンターの話を聞いて…」
それはもしかしなくても、悠希が男たちに襲われてハンターに助けてもらったあの件だろう。
普通に考えれば狼であるハンターに殺されたと思われたはずだ。
「絶望したよ。けれど、君の亡骸はいくら探しても見当たらない。だから、もしかして…って思ってた。でも、ひとつ疑問が残った」
マーロウがパソコンを閉じて、カップに手を伸ばした。
「なぜ、戻ってこないんだろう?って、ね」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
102 / 137