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帰って来なかったワケは…。
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「博士と随分探したんですよ。村の人にも協力をして貰ったんですけど…。けれど、隣村で捕まった密猟者からハンターの話を聞いて…」
それはもしかしなくても、悠希が男たちに襲われてハンターに助けてもらったあの件だろう。
普通に考えれば狼であるハンターに殺されたと思われたはずだ。
「絶望したよ。けれど、君の亡骸はいくら探しても見当たらない。だから、もしかして…って思ってた。でも、ひとつ疑問が残った」
マーロウがパソコンを閉じて、カップに手を伸ばした。
「血痕もなければ、ハンターが君を引き摺って去った跡もなかったんだから」
それはそうだろう。
ハンターに殺されるどころか背中に担がれて、求愛されて、番になっているのだから。
かといって、当たり前なのだが、それを想像できた人間など皆無だ。
そんな非現実の出来事を体験した悠希自身が、里帰りをしている。
帰れたけど、帰ってこなかった理由は…博士が揃ってから話をしようと悠希は苦笑いを浮かべた。
「でも本当に、無事に帰ってきてくれて良かったよ!!」
「マーロウ。本当に心配かけて申し訳なかったよ。ごめん。ありがとう」
マーロウが、にこやかに告げると悠希も心配をかけた事に頭を下げた。
それと同時に、玄関の方からドタバタと騒がしい音がやって来た。
リビングのドアが勢いよく開け放たれ、男が両手を広げて笑顔で入ってきた。
「ユーキ!!無事だったか~!!」
「博士!!」
そこには懐かしい恩師の顔があった。
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