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狼好きなワケで…。
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子どもの頃から動物の好きだった佐久間悠希は、苦手な勉強を頑張って大学院生となった。
そうして、その方面では世界的権威のシュタイン博士に師事するチャンスを得たのだ。
それは、中学生の頃に出した手紙が切っ掛けだった。
子どもの手紙に丁寧に返信をくれたシュタイン博士。
それから何度かメールでやり取りして、今に繋がっていた。
「ここですね、狼の楽園は…!」
悠希は広大な自然の広がる土地へと足を踏み入れた。
そうして深呼吸をひとつ。
長年夢見てきた大好きな狼。
それを観察出来るのだから嬉しくて仕方ない。
「地元の村人からの話では、とびきり大きな狼が居るそうです」
もうひとり、シュタイン博士の助手であるマーロウが口を開いた。
「はぐれ狼なのに、一匹で大きなヘラジカを一発で仕留める力と技量があるらしいです。地元ではハンターと呼ばれている個体で、見たら直ぐに分かるらしいです」
尊敬と畏怖を込めて『ハンター』と名づけられた若い雄の狼。
群れは基本的に家族で構成されており、若い雄は独り立ちの為に群れを去る。
はぐれ狼は、ひとりで獲物を仕留められず命尽きるものも居る。
そんな中でヘラジカ等を一匹で倒してしまうとは、恐ろしいほどに強いに違いなかった。
早く見たいと胸が高鳴った。
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