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まさかの、…あらわる‼…んデス。
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全身をビクビクビクーッと震わせて、悠希は縮こまった。
ここは人間である悠希達の暮らした家とはわけが違うのだ。
扉は無いのだから、何かやって来ようものなら防ぎようが無い。
ドアでも付けようかな?
なんて、本気で思いながら冷や汗を流す。
ここの森のヒエラルキーの頂点に居るのは間違いなく規格外の存在感を示すハンターだ。
賢く、強く、イケメン(悠希談)のハンターに逆らえる動物は居ない。
唯一逆らおうとする存在は人間位だろうか。
動物でいうと、グリズリー。そう熊が狼達と縄張りを争っている存在だろう。
こここ巣穴に今までハンター以外の動物はやって来たことはないから安心しきっていたが、まさか熊が来るなんて事はないだろうか?
そんな事になったら、ひと溜まりもない。
まさか、ね…。
こんな時、人間界なら夫に電話も出来ただろうが、生憎野生の王国。
ひとりでこの巣穴を守るほかない。
「⁉」
その時、何かが巣穴の入り口へやって来たのを感じた。
ハンターならば迷うことなく悠希の元までやって来る。
そして悠希の顔を舐めて『待たせたな』と言う風に労ってくれるのだ。
それが、どうだろう。
入り口付近で動く気配がしない。
暫くウロウロして、少し中の様子を伺っている。
「…っ」
違う。
数日の夫婦生活とはいえ、愛している伴侶ハンターの息遣いくらい分かる。
ハンターじゃない。
それなら一体…⁉
悠希の額に汗がジワリと沸き上がった次の瞬間。
グルルルルル…
聞いたことのない唸り声が耳に届いた。
ゆっくりと悠希は顔を上げた。
見たかった訳ではない。
でも、自然とそちらへ視線を向けてしまった。
「っ⁉」
そこには、ハンターに負けず劣らず体格の良い黒々とした狼が立っていたのだった。
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