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杉原の日常
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のそのそと歩く俺にすれ違う隊員は頭を下げ、数人の生徒らは頬を染めながら視線をよこす。
だらしない態度なので若干恥ずかしいしできれば見られたくはないのだが、偶に笑顔を返しつつ自分の株を上げる。
株を上げれば俺目的で親衛隊に入ってきてくれる人も増えるし困った時に助けてもらえる。
親衛隊の中でもやはり隊員が多い方が影響力を持つ故に格上という暗黙の了解みたいなものがあり、「やっぱ目指すならてっぺんでしょう」とか、「多くを従えていた方が強そう」とかいった俺のクソみたいな承認欲求が満たされるように小さなことからコツコツと頑張っているのである。
クラスはは何の変哲も無いごくごく普通のBクラス。窓際後ろから2番目の席に腰を落ち着けそよ風にあたりながら頬杖をついてホームルームまで睡眠。これが俺の日課だ。
そして
「あ、あの、杉原くん…」
これももうそろそろ日課になりつつある。
「ね、寝てるかな?昨日の杉原くん……ここに置いておくね」
そう言って俺の絵が描かれた色紙を俺の机にそっと置いて立ち去るクラスメイト。
彼の苗字は山田。名前は知らない。
メガネをかけていて猫背でぽっちゃり体型のストーカー予備軍である。
ファーストコンタクトで「ぼぼぼ僕、初めて君みたいな美しい存在に出会ったよ目が離せないな創作意欲が性欲と同じくらいに刺激されるよ…あ、いきなりごめんね僕山田…迷惑にはならないようにするから僕に君の絵を描かせて欲しいんだ勿論毎日君にプレゼントするよお願いだよ」と抱きしめられマシンガントークで囁かれ俺は何が何だか分からずに「わか、わかった、わかったから…離して…」と降伏し条件を丸呑みしたのだ。
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