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ハラちゃん
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「…んー、もしもし?」
気だるげな声が電話の向こうから聞こえた。タイミング悪かったかもと頭をかく。
「今大丈夫?」
「大丈夫には大丈夫だけど………あぁ、ヨドミか」
「そうそうヨドミよ」
「ヨドミヤらせて……」
物欲しげな声で囁かれ、ヒヤッとする。
どこか欲求不満そうな気配がするし、案外絶好のタイミングだったのかもしれないと思い直し要件を口にする。
「そんなにヤりたいなら学園一の美形とヤりたくない?」
「……………なんだ、会長の相手のことで連絡くれたの」
「それ以外で連絡しないでしょ俺」
前回この話を持ちかけた時は「よっしゃイケメンとセックス♪」とルンルン気分だったので今回も大層喜ばれると思ったんだけど、予想に反して機嫌が悪そうだった。
「会長とヤれるのはいいんだけどヨドミともヤりたいの」
「……………んー、それは無理なご要望であり」
「えー…まぁいいや。ヨドミとはまた今度にする。いいよ、何時くらいに行けばいいの?」
それから何やかんやと詳細を取り決めてハラちゃんとの電話を終えた。
「ん。それじゃ俺はこれで。失礼しますね」
そう言ってそそくさとその場を去ろうとすると首藤くんが「あ」と声を漏らした。
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