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ん
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「どうぞ入ってください」
樫本は先程までの下衆としか言いようのない態度を一転させ、優しさの溢れる声で扉の向こうの人物へ入室を促した。通称副会長モードである。
「失礼します」
スッと耳に入る低すぎず高くもない、けれど良く通り耳心地の良い、青年の声である。
この部屋に来るのは大抵生徒会メンバー、生徒会顧問、偶に風紀、イベントごとが近づけば各委員長、実行委員など、もしくは何か用事があって生徒会メンバーを探しに来た親衛隊や教師、がせいぜいで、訪問者は珍しい事だ。
樫本は誰だ?と眼鏡をかけ直し入り口を見つめるが、声を聞いた途端バッと顔を上げた都賀屋が視界に入り、怪訝そうに眉をひそめた。
「すみません、2年の」
顔を覗かせた彼を確認した途端都賀屋が席を立ち、彼の自己紹介を遮るように早足で近づきガシッと肩を掴んだかと思えば己の身もろとも生徒会室から押し出した。
「うわっ、ちょ、……え?」
戸惑いの声と共に視界から消えた訪問者に眉をひそめる樫本と、「噂をすれば何とやら…か」とボソッと溢す首藤の2人が生徒会室にとり残された。
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