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んん
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それは最近よく聞く質問だった。
まだだと答えると決まって「じゃあ僕と」と誘われるので「まぁじゃあそうする?」と去年は答えたんだけど、そうしたらちょっと当日の夜にいろいろと起こっちゃったので今年は真剣に選べとアッキー に念を押された。「じゃあお前がペアになってくれるのか」と聞けば「もう楠木と組んでるごめん」と二人して俺をちゃっかり見捨てた。
だから正直今年は決めかねてるのだ。
「……まだですねぇ」
「……」
困ってるんだよな…。
いっそ首藤くんでも誘おうかな。
生徒会も基本条件は一般生徒と同じで誰かとペアにならなければいけないのだが、生徒会同士でなるのも面白味に欠けるということから先代のOBが生徒会も極力一般生徒との交流を図るべしとの規則を追加したのだ。
隊の皆も自分がペアに選ばれないならいっそ安全牌の俺にそのポジションを譲りたいらしく、いやに最近「杉原様は会長様とペアになるんだよね?」みたいなことを言われる。
「最悪首藤くんに頼み込むかなぁ………」
そんなことをボヤくと都賀屋サマが一瞬ピクッと動いた。
「アイツはだめ」
そう言った後、ハッとしたように自分の口を覆った。
「え?」
「……いや、ごめん間違えた。」
「……はぁ…」
なんだったんだろう。首藤くんとペアになるの、まずいのか?
「よければ俺とペアになる?」
「えっ!?」
今度は俺が驚く番だった。
「俺も決まってないし、相手に困ってる。利害関係一致してる」
「……え、俺と都賀屋サマが…。そりゃまた、異色コンビですね」
正直その申し出はありがたい。去年のような危険性もなけりゃ静かそうだし夜はしっかり寝たい派の俺とは馬が合いそうだ。
「そうなれれば一番良いんですが、やっぱ親衛隊長が他の対象者と仲良くしてちゃさすがに不味いでしょう」
「…………大丈夫だと思うけど……」
「いや、まずいですよ」
そう言って苦笑いして見せると都賀屋サマは少し残念そうな顔をされた。
本当にほんのすこしだけど。
「無難そうな人他にあたってみますわ。誘ってくださって本当にありがとうございます」
俺は自分でも認める爽やかさMAXの笑顔を都賀屋サマに贈呈した。
そうだ、委員長はどうだろう。決まってないといいな…。
「気が変わったらいつでも言って」と言ってくれた都賀屋サマに一礼して俺はその場を去った。
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