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子供扱いしないで
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「これで全部、かな?」
「うん、ほぼ服だけだけど…」
週末になり、俺は悠さんのマンションに引っ越してきた。
引っ越すというと大げさだけど、長いお泊りみたいな感じということになると思う。
(なんか新婚みたいでわくわくするな…)
そう考えてから、頭を横に振る。
付き合ってまだ1週間とちょっとなのに、もう結婚とかお花畑すぎだよね、と言い聞かせる。
「…なんか、新婚さんみたいだね?」
「!…俺も同じこと考えてたっ」
なんだか悠さんと心が繋がったみたいで嬉しくて、ついだらしない笑顔を向けてしまう。
「ほんと…先が不安になるよ…」
「不安…?」
「千歳が可愛すぎて、俺が我慢できるか不安だなってことだよ」
「っ!お、おれは可愛くなんてないよっ、我慢…とかも別に、しなくても…」
(キスだって、気持ちよかったし…そんなの我慢しなくたって…)
顔が熱くなっていくのを感じながらも、もう一度してくれないかな、なんて期待を抱いてしまう自分が少し怖い。
「…千歳、お風呂入っておいで。色々と忙しくて疲れたよね?入ったら、先に寝ててくれて構わないから。」
「え…」
俺の期待していた甘い幻想は一瞬にして砕かれた。
(さっきまで俺のこと、かわいいとかなんとか言ってたくせに、先に寝ていいとか疲れたよねとか…子供扱いなの…?)
色んな不満と不安から、逃げるようにお風呂に入って、悠さんと入れ違いで布団に潜り込んだ。
少し時間が経って、悠さんへの苛立ちもおさまりはじめた頃に、悠さんがベットにやってきた。
「…千歳、寝たかい?」
「………。」
「…寝てる、みたいだね…」
あからさまに安心した様にベットに入ってくる悠さんに、また苛立ちがつのる。
「俺が寝てた方が悠さんは嬉しいんだ…?」
「千歳…!起きてたの?」
「悠さんの嘘つき…俺のこと可愛いとか、が、我慢できないとか言ってたくせに、子供扱いするとか…!そりゃ大人じゃないけど、でも俺だって、少しくらい、その、期待したりだって…」
言葉にするとさらに虚しくなって、泣きたくなんてないのに、目がだんだん潤んでいくのがわかる。
「…千歳は何もわかってない子供だよ。」
「なっ、にそれ…!」
「俺はね、今すぐ千歳のことぐちゃぐちゃにしたいって思ってるんだけど。千歳が思ってるような甘いキスだけじゃ足りないんだ。それでもしたいの?…俺も1人の男だから、理性が切れない内に寝てくれると助かるんだけどね。」
思ってもみなかった言葉に、俺の目は大きく見開かれた。
キス以上のことを知らない訳じゃない。俺だって健全な男子高校生だ。でも、男同士なんてどうやって…?
わからない、けど…
「悠さんにだったら何されてもいい…」
思った時には口に出てしまっていた。
何されても、なんてもちろん悠さんが酷いことはしないなんていう想像からの言葉だ。
そんな子供の言葉でも、悠さんを煽るのには十分すぎたようだった。
「ほんと君は…もうどうなっても知らないよ俺は…」
悠さんは俺の上に跨ってこう言った。
「覚悟して?」
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