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黒歴史
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「はい、じゃあ全クラス確認が終わったので、もう戻ってもらっていいですよ」
1年生は主にお化け屋敷、とか遊んだりする感じのクラス企画。
2年生は劇、3年生はだいたいが食べ物系の企画である。
たまにイレギュラーな感じのクラス企画をする所もあるが、大体例年こういう感じらしい。
(去年は確か縁日っていうテーマだったなぁ…)
去年の文化祭を思い出して苦笑いする。
日向の悪ノリと波留ちゃんの行動力で、俺は浴衣(女物)を着せられて大変だった。
慧は同じ浴衣でもちゃんと男もので、髪の毛もなんか遊ばせちゃって女の子から黄色い歓声を浴びていた。
それなのに俺は、薄いピンクの可愛い浴衣で、ウィッグをつけてメイクもされた。
文化祭後一ヶ月はずっとそのネタで持ちきりって感じで写真は出回るわでとてつもなく疲れたことを覚えている。
「悠さんにだけは絶対見せられない…」
「何をですか??」
「俺の黒歴史である女装の浴衣の写真だけは…って佐倉くん!!?」
「へー千歳先輩の女装、僕見てみたいです!」
いつの間にか隣には、笑顔の佐倉くんが立っていた。
「い、いやいや!あれは見せられるようなものじゃないし…!」
「まあまた今度しっかり見せてもらいますね?ところで、悠さんって誰なんです?先輩?」
「あー…えっと、まあ広い意味で先輩…かな?」
(歳的には8歳ほど離れてるけど…)
「ふーん…あ、そうだ僕のクラス、コスプレ館っていうのをするんです!よかったら当日来てくださいよ〜!」
「コスプレ館?」
「はい!色んな衣装を用意して、コスプレを楽しんで貰おうっていう企画です。写真も撮ることができるんですよ。」
「へぇー!それは楽しそうだね!友達連れて遊びに行くよ」
1年の時の恨みを晴らすべく、日向に女装でもしてもらおうかと頭の片隅で思う。
「じゃあ当日楽しみにしてますね!もちろん、白雪姫先輩もちゃんと見に行きますから」
「え?!」
「じゃあまた!」
佐倉くんはひらひらと手を振って帰っていった。
「佐倉くんもう知ってるのか…」
引きつる笑顔で手を振り返しながら俺は呟いたのだった。
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