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我らが姫
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文化祭まであと1週間。
学校中がラストスパートをきったかのように盛り上がりを見せていた。
俺たちのクラスも例外ではなく、今まで以上に細かく調整していく。
「姫〜!衣装完成したよ!」
衣装係の女子たちに呼び出され、白雪姫の衣装を渡された。当日ではないとはいえ、一回は完璧にしておいた方がいいだろうという事で、衣装だけでなく化粧もすることになった。
「な、なんかかゆい!くすぐったい!」
「動かないで。姫を世界一かわいい女の子にするんだから…!」
「ご、ごめんなさい…」
女子たちの力に敵うわけもなく大人しくされるがままになる。
「よし、できた…!これは我ながら完璧すぎる…!!」
「みんなー我らが姫のお披露目だよー!集まって!」
ぞろぞろとクラスのみんなが集まったところで振り向いてみる。
「「「か、かわいい…」」」
「…え?」
「雪のように白い肌、血のように赤い頬や唇、黒檀の窓枠の木のように黒い髪を持つ…完璧ね」
波留ちゃんは何度も頷きながらつま先から頭のてっぺんまでじっくり凝視した。
「へへ…悠さんに送ってやろ…」
「聞こえてるから!送らなくていい!」
どうせ当日に見られるのだから、写真に残す必要はない。むしろ残したくない。
「残念!もう送っちゃいました☆」
舌を出して頭をこつんとした日向に殺意を抱いたが、小人役の衣装が想像以上に似合っていたため笑いの方が勝ってしまった。
慧は本物の王子様のように(見た目だけは)見えて、女子たちは興奮気味だ。
波留ちゃんは黒いドレスに身をつつみ、とても大人っぽく妖艶な継母になっている。
「これはうちのクラスが優勝だろ!姫さすがすぎな!」
「南さんも素敵だよなぁ〜」
「吉野くんやばい!!吉野くんの本気やばい!!やればできる子!!!」
「小人可愛すぎるwwwwwwww」
クラスは一段と盛り上がりを見せ、劇の宣伝用の写真を撮って今日は終わった。
とても濃い1日に充実感すらも感じながら、1人写真を眺める恋人が待つ家に帰るのだった。
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