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再会
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「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりですか?」
遡ること1年前。
そろそろ暑くなってきた頃で、制服も半袖が目立っていた。
私、葉月直は、このカフェの店員として働いる者の1人だ。
「もちろんアップルティーで!」
すっかり常連さんになったこの子、千歳くんとも顔見知りになり、私の生活にまた一つ花が咲いたようだ。
「じゃあまた来ますね!」
「ありがとうございました〜」
なんて癒される笑顔なんだろう。こんな可愛い笑顔を私に見せるくらいだから、きっと友達にはもっと蕩けるような…って、だめだめ。今は仕事中なんだから。
もうお察しの方もいるだろうが、私は腐女子というやつだ。
気づいたのは大学生のころ。
好きだった人に告白して振られた時にカミングアウトされたことをきっかけに、沼にはまってしまった。
(あーあ、そこらへんにホモ落ちてないかなぁ…)
「すみません、」
「っあ、はい!ご注文はお決まりでしょうか?」
「いえ、注文じゃないんですが…って、もしかして君、葉月か?」
「え、あそうですけど…ん?この顔どっかで…」
端正な整った顔立ち、低い声、身長もまあまああるし…こりゃ攻めだな
「覚えてないのか?失礼だな、七瀬だよ」
「な、七瀬先輩!!?なんでこんなところに?!」
そうだ思い出した、あの七瀬先輩じゃん!
「ちょうどいい、お前仕事何時に終わる?イタリアンか和食、好きな方を選べ」
「7時ですけど…え、い、イタリアン…?」
「そうか、じゃあそのとき迎えにくるよ」
悪魔な微笑みは高校の時から何も変わっていないようだ。
約束を取り付けると、颯爽と店から出ていってしまった。
「これはちょっと…やな予感…」
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